多様性に富んだ地形に水田と用水路が広がり、樹林・湧水が点在するまち・日野は、都市化によって急速にその姿を変貌させてきた。本書は、かろうじて残された用水路を軸に、景観の保全をめぐる行政と市民の三十年余にわたる試みをあとづける。単なるノスタルジーとしてではなく、過去の営みを反省的に振り返り、現状をふまえて日野の未来を探る活動は、同様の課題を持つ多くの都市に示唆を与える。〔環境問題・都市行政〕
西城戸 誠(ニシキド マコト)
1995年,北海道大学文学部を卒業.2003年,北海道大学大学院文学研究科博士課程修了.博士(行動科学).北海道大学大学院文学研究科助手,京都教育大学教育学部講師,助教授を経て,現在,法政大学人間環境学部准教授,法政大学エコ地域デザイン研究所兼担研究員.専攻・関心は社会運動論,環境社会学,地域社会学.
著書:『よくわかる環境社会学』(共著,ミネルヴァ書房,2009年),『抗いの条件──社会運動の文化的アプローチ』(単著,人文書院,2008年.第3回地域社会学会「奨励賞」受賞),『社会運動の社会学』(共著,有斐閣,2004年),『社会運動という公共空間──理論と方法のフロンティア』(共著,成文堂,2004年),など.
黒田 暁(クロダ サトル)
2001年,上智大学文学部を卒業.2009年,北海道大学大学院文学研究科博士課程修了.文学博士(社会学).北海道大学大学院文学研究科専門研究員を経て,現在,法政大学サステイナビリティ研究教育機構リサーチ・アドミニストレータ(研究員),法政大学エコ地域デザイン研究所兼担研究員.専攻・関心は環境社会学,自然環境をめぐる合意形成論,地域資源論.
著書:『半栽培の環境社会学──これからの人と自然』(共著,昭和堂,2009年),など.
はじめに
I 用水のあるまち
II 水の郷へ向けたまちの構想と計画
III 水の郷のまちづくりにおける市民活動と市民参加
IV まちと農業と用水
V 「環境」としての用水路
──市民意識調査から用水の価値を探る
VI これからの「まち」と「水・緑」のゆくえ
あとがき
参考文献
I 用水のあるまち
II 水の郷へ向けたまちの構想と計画
III 水の郷のまちづくりにおける市民活動と市民参加
IV まちと農業と用水
V 「環境」としての用水路
──市民意識調査から用水の価値を探る
VI これからの「まち」と「水・緑」のゆくえ
あとがき
参考文献