科学を社会の知識を増やす営み(機能システム)とみなし、社会理論的な問いと認識論的な問いを結びつける。近代社会はどのような認識論の構想を生み出すのか。第1巻は第1章「意識とコミュニケーション」から第5章「システムとしての科学」まで、第2巻は第6章「正当な縮減」から第10章「科学の近代性」までと訳者あとがき・索引を所収。〔社会学〕
N.ルーマン(ルーマン ニクラス)
(Niklas Luhmann)
1927年ドイツのリューネブルクに生まれる。1968-1993年ビーレフェルト大学社会学部教授。70年代初頭にはハーバーマスとの論争により名を高め、80年代以降「オートポイエーシス」概念を軸とし、ドイツ・ロマン派の知的遺産やポスト構造主義なども視野に収めつつ、新たな社会システム理論の構築を試みた。90年前後よりこの理論を用いて現代社会を形成する諸機能システムの分析を試み、その対象は経済、法、政治、宗教、科学、芸術、教育、社会運動、家族などにまで及んだ。1998年没。『宗教論』『近代の観察』『社会の法』『社会の芸術』『社会の社会』『社会の科学』(以上、法政大学出版局)など邦訳多数。
徳安 彰(トクヤス アキラ)
1956年佐賀県に生まれる。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。法政大学社会学部教授。社会システム論専攻。
著書:『理論社会学の可能性―客観主義から主観主義まで』(共著、新曜社)、『社会変動と社会学 講座社会変動1』(共著、ミネルヴァ書房)ほか。
訳書:エリアス『社会学とはなにか』、ルーマン『社会の科学』(以上、法政大学出版局)、ルーマン『福祉国家における政治理論』(勁草書房)ほか。