叢書・ウニベルシタス 165
情念の政治経済学 〈新装版〉
四六判 / 180ページ / 上製 / 価格 2,200円 (消費税 200円)
ISBN978-4-588-09985-4 C1330 [2014年06月 刊行]
ISBN978-4-588-09985-4 C1330 [2014年06月 刊行]
〈情念〉の否定と抑圧に忙しい17世紀の思想界に〈利益〉という新しいパラダイムが登場するや、利欲をして諸情念を調教せしめ、もって社会の安寧をはかろうとの志向が高まる。啓蒙期の論争を辿って、M.ウェーバーとは異なる角度から資本主義のエートスを発掘する。
アルバート・O.ハーシュマン(ハーシュマン,A.O.)
(Albert O. Hirschman)
1915年ベルリンに生まれる。ベルリン大学で学び、反ナチ活動によってパリへ亡命。高等商業学校で学ぶ。その後、ロンドン・スクール、トリエステ大学で学び、経済学者としてイタリアとフランスでデビューしたが、40年にアメリカにわたり、以後、開発経済論、組織論、政治・経済思想史などの広い分野で経験主義的で独創的な仕事をした。カリフォルニア大学、連邦銀行局、イェール大学、コロンビア大学、ハーバード大学、プリンストン大学などで研究員、教授を歴任。プリンストン高等研究所名誉教授。主な著書に、『経済発展の戦略』(1958)、『進歩への旅』(63)、『開発計画の診断』(67)、『退出、告発、忠誠』(70)、*『情念の政治経済学』(77)、『越境論』(81)、*『失望と参画の現象学』(82)、*『連帯経済の可能性』(84)、*『反動のレトリック』(91)、*『方法としての自己破壊』(95)などがある(*は邦訳小局刊)。2012年没。
佐々木 毅(ササキ タケシ)
1942年、秋田県に生れる。東京大学法学部卒業。東京大学法学部教授、東大総長を歴任。東京大学名誉教授。専攻、政治学史。著書『プラトンと政治』『近代政治思想の誕生』『現代アメリカの保守主義』など。
旦 祐介(ダン ユウスケ)
1956年、東京に生れる。東京大学大学院総合文化研究科国際関係論専門課程博士課程修了。東海大学教養学部教授。訳書:ケイン&ホプキンズ『ジェントルマン資本主義の帝国』(共訳)。
※上記内容は本書刊行時のものです。 謝辞
序論
第一章 どのようにして利益は情念に対抗すべく持ち出されたか
栄光の観念とその没落
「ありのまま」の人間
情念を抑圧し、そして管理して
情念を相殺するという原則
情念の調教師としての「利益」と「諸利益」
新しいパラダイムとしての利益
利益が支配する世界の持つ財産、すなわち、可測性と恒常性
罪がなく穏和なものとしての金儲けと商業
おとなしい情念としての金儲け
第二章 なぜ経済の拡大は政治秩序の改善をもたらすと考えられたのか
この学説の構成要素
関連しつつも、くいちがう見方
第三章 思想史のエピソードをふりかえって
モンテスキュー、スチュアートのヴィジョンはどこで誤りを犯したのか
「利益の支配」対「プロテスタントの倫理」
今日の問題
原注 I
原注 II
訳者あとがき
人名索引
序論
第一章 どのようにして利益は情念に対抗すべく持ち出されたか
栄光の観念とその没落
「ありのまま」の人間
情念を抑圧し、そして管理して
情念を相殺するという原則
情念の調教師としての「利益」と「諸利益」
新しいパラダイムとしての利益
利益が支配する世界の持つ財産、すなわち、可測性と恒常性
罪がなく穏和なものとしての金儲けと商業
おとなしい情念としての金儲け
第二章 なぜ経済の拡大は政治秩序の改善をもたらすと考えられたのか
この学説の構成要素
関連しつつも、くいちがう見方
第三章 思想史のエピソードをふりかえって
モンテスキュー、スチュアートのヴィジョンはどこで誤りを犯したのか
「利益の支配」対「プロテスタントの倫理」
今日の問題
原注 I
原注 II
訳者あとがき
人名索引