思想*多島海シリーズ 13
散歩の文化学 2
東洋的都市経験の深層
前野 佳彦:著
四六判 / 292ページ / 上製 / 価格 3,630円 (消費税 330円)
ISBN978-4-588-10013-0 C1310 [2009年01月 刊行]
ISBN978-4-588-10013-0 C1310 [2009年01月 刊行]
都市の基底には人柱が眠っている。東洋の人柱とは、生活人としての民=百姓(ひゃくせい)だった。新しい王朝が都市を作邑し、上から創設するとき、先朝の〈遺民〉は作邑によって保障された〈市〉を歩く散歩人へと転生する。この東洋的都市経験の根源をなす、『荘子』の逍遙遊、『論語』の都市的アレゴリー、そして人麿の相聞─挽歌の心象界を貫く、古代的〈界隈〉の生活世界を想起する。