ベール周辺の寛容をめぐる政治・神学論争を集成する本書下巻には、ジュリュー、ジャクロ、フィリポ、ソーラン、バルベラックらの文書を収める。巻末にはこれら著者・思想家たちの人物紹介に加え、フランク・ピュオーによる解説書『十七世紀における「寛容」のフランス人先駆者たち』を併録し、ひとつの時代の思想的全体像を浮かび上がらせる。野沢協氏のライフワーク、十七世紀思想史の到達点。
野沢 協(ノザワ キョウ)
1930年鎌倉市に生まれる。東京大学文学部仏文科卒業。東京都立大学教授、駒沢大学教授を務める。主な訳書:P. アザール『ヨーロッパ精神の危機』(第9回クローデル賞)、B. グレトゥイゼン『ブルジョワ精神の起源』、A. リシュタンベルジェ『十八世紀社会主義』(第19回日本翻訳文化賞)、J. カスー『1848年──2月革命の精神史』(監訳)、『啓蒙のユートピア 全3巻』(監訳)、『ピエール・ベール著作集全8巻・補巻1』(全巻個人訳、第2回日仏翻訳文学賞・第34回日本翻訳文化賞)、P. デ・メゾー『ピエール・ベール伝』、『ドン・デシャン哲学著作集』、『啓蒙の地下文書Ⅰ・Ⅱ』(監訳)(以上の翻訳書は、法政大学出版局刊)ほか。
※上記内容は本書刊行時のものです。まえがき
ピエール・ジュリュー『ソッツィーニ主義一覧──抄 ソッツィーニ派の教義の不浄と虚偽を示し、ソッツィーニ異端を寛容に浴させんとする者らがたくらむ陰謀の秘密をあばく』(一六九〇年)
イザーク・ジャクロ『『ソッツィーニ主義一覧』についての意見』(一六九〇年)
ジャック・フィリポ『寛容の正しい限界 『《ソッツィーニ主義一覧》についての意見』を駁す』(一六九一年)
エリ・ソーラン『良心の権利についての考察 開明された良心の権利と、迷える良心の権利との違いを示し、『哲学的註解』と『二つの主権者の権利』と題する書に反駁し、宗教問題における政治的寛容の正しい限界を指し示す』(一六九七年)
ジャン・バルベラック『プーフェンドルフ『自然法・万民法』の仏訳に付した「訳者序文」』──抄(一七〇六年)
ジャン・バルベラック『教父道徳論』──抄 (一七二八年)
著者紹介
訳註
解説 フランク・ピュオー『十七世紀における「寛容」のフランス人先駆者たち』(一八八一年)
訳者あとがき
ピエール・ジュリュー『ソッツィーニ主義一覧──抄 ソッツィーニ派の教義の不浄と虚偽を示し、ソッツィーニ異端を寛容に浴させんとする者らがたくらむ陰謀の秘密をあばく』(一六九〇年)
イザーク・ジャクロ『『ソッツィーニ主義一覧』についての意見』(一六九〇年)
ジャック・フィリポ『寛容の正しい限界 『《ソッツィーニ主義一覧》についての意見』を駁す』(一六九一年)
エリ・ソーラン『良心の権利についての考察 開明された良心の権利と、迷える良心の権利との違いを示し、『哲学的註解』と『二つの主権者の権利』と題する書に反駁し、宗教問題における政治的寛容の正しい限界を指し示す』(一六九七年)
ジャン・バルベラック『プーフェンドルフ『自然法・万民法』の仏訳に付した「訳者序文」』──抄(一七〇六年)
ジャン・バルベラック『教父道徳論』──抄 (一七二八年)
著者紹介
訳註
解説 フランク・ピュオー『十七世紀における「寛容」のフランス人先駆者たち』(一八八一年)
訳者あとがき
書評掲載
「出版ニュース」(2015年4月上旬号)に紹介されました。