ヒューム読本 〈新装版〉
中才 敏郎:編
A5判 / 332ページ / 並製 / 価格 3,740円 (消費税 340円)
ISBN978-4-588-12132-6 C1010 [2011年06月 刊行]
ISBN978-4-588-12132-6 C1010 [2011年06月 刊行]
イギリス経験論哲学の最高峰、デイヴィッド・ヒュームの思想世界――9人のヒューミアンが最新の研究を踏まえ、その魅力と豊かな問題性を照射する読解・研究入門。
中才 敏郎(ナカサイ トシロウ)
大阪市立大学大学院文学研究科教授。哲学専攻。著書;『心と知識』(勁草書房)、『論理学の基礎』(昭和堂、共著)、訳書;ワトキンス『科学と懐疑論』、ヒュプナー『科学的理性批判』『神話の真理』(法政大学出版局、共訳)ほか。
※上記内容は本書刊行時のものです。 凡例
ヒュームの生涯と著作──まえがきに代えて
はじめに
一 若きヒュームの思想形成
二 『人間本性論』
三 大学教授の夢
四 『イングランド史』
五 パリ滞在
六 晩年
I
ヒュームの哲学的立場
一 問題の設定
二 自然主義とはどんな考えのことか
三 ヒュームにおける目標と方法
四 ヒュームの「人間本性」分析
五 因果性と自然主義
六 「情念論」「道徳論」と自然主義
七 政治学と人間本性あるいは自然主義
八 自然主義と学問的立場
II
自由・偶然・必然──ヒューム因果論が遭遇する暗黒
一 未来視線と過去視線
二 過去からの束縛
三 他人称的な過去形
四 他行為可能性から偶然性へ
五 責任能力という陥穽
ヒュームにおける心の理論──心的実体の観念と心身問題について
はじめに
一 ヒュームの主題と方法
二 心的実体の観念の問題
三 心身問題(一)──心的実体と身体の場所的連結としての
四 心身問題(二)──心身の相互作用関係としての
おわりに
懐疑論──ヒュームによる認識論的規範性の見直し
はじめに
一 ヒュームの議論に関する典型的解釈
二 ヒュームの「全面的懐疑論」
三 反基礎づけ主義による疑いの解消の不充分
四 「全か無か」のディレンマと人間本性の自然な傾向性
五 「全か無か」のディレイマのヒュームによる解決
おわりに
ヒュームにおける宗教と哲学──神、世界、因果
はじめに
一 奇跡──『知性研究』第10節
二 宗教的仮説──『知性研究』第11節
三 人間本性における宗教の起源──『自然史』
四 計画性からの論証──『対話』その一
五 真なる宗教と偽なる宗教──『対話』その二
おわりに
III
ヒュームの情念論
はじめに
一 「情念論」の位置づけ
二 「知性論」および「道徳論」との結びつき
三 情念の位置づけ
四 穏やかな情念と激しい情念
五 直接情念と間接情念
六 反省的印象としての快苦
七 間接情念
八 間接情念の「間接性」
おわりに
ヒューム、その道徳哲学の視野
はじめに──感情の事実と道徳の規範
一 道徳感情と人格への顧慮
二 人為的な徳と社会的世界
三 事実と規範再び
ヒュームにおける社会科学の生誕
はじめに
一 理性主義哲学の批判と社会科学の方法
二 社会科学における因果法則と人間の自由
三 法則科学としての「政治学」
四 社会科学における偶然と必然
五 文明の学としての社会科学
哲学的精神と時代の精神
はじめに
一 人間本性の斉一性と文明の盛衰
二 一般的原因と偶然
三 歴史の効用
四 「時代の精神」
研究案内・年譜
ヒューム研究案内
一 ヒュームのテキスト
二 邦訳
三 ヒューム研究
四 日本におけるヒューム研究
ヒューム関係年譜
あとがき──ヒューミアンであるとはどのようなことか?
索引(人名・事項)
ヒュームの生涯と著作──まえがきに代えて
はじめに
一 若きヒュームの思想形成
二 『人間本性論』
三 大学教授の夢
四 『イングランド史』
五 パリ滞在
六 晩年
I
ヒュームの哲学的立場
一 問題の設定
二 自然主義とはどんな考えのことか
三 ヒュームにおける目標と方法
四 ヒュームの「人間本性」分析
五 因果性と自然主義
六 「情念論」「道徳論」と自然主義
七 政治学と人間本性あるいは自然主義
八 自然主義と学問的立場
II
自由・偶然・必然──ヒューム因果論が遭遇する暗黒
一 未来視線と過去視線
二 過去からの束縛
三 他人称的な過去形
四 他行為可能性から偶然性へ
五 責任能力という陥穽
ヒュームにおける心の理論──心的実体の観念と心身問題について
はじめに
一 ヒュームの主題と方法
二 心的実体の観念の問題
三 心身問題(一)──心的実体と身体の場所的連結としての
四 心身問題(二)──心身の相互作用関係としての
おわりに
懐疑論──ヒュームによる認識論的規範性の見直し
はじめに
一 ヒュームの議論に関する典型的解釈
二 ヒュームの「全面的懐疑論」
三 反基礎づけ主義による疑いの解消の不充分
四 「全か無か」のディレンマと人間本性の自然な傾向性
五 「全か無か」のディレイマのヒュームによる解決
おわりに
ヒュームにおける宗教と哲学──神、世界、因果
はじめに
一 奇跡──『知性研究』第10節
二 宗教的仮説──『知性研究』第11節
三 人間本性における宗教の起源──『自然史』
四 計画性からの論証──『対話』その一
五 真なる宗教と偽なる宗教──『対話』その二
おわりに
III
ヒュームの情念論
はじめに
一 「情念論」の位置づけ
二 「知性論」および「道徳論」との結びつき
三 情念の位置づけ
四 穏やかな情念と激しい情念
五 直接情念と間接情念
六 反省的印象としての快苦
七 間接情念
八 間接情念の「間接性」
おわりに
ヒューム、その道徳哲学の視野
はじめに──感情の事実と道徳の規範
一 道徳感情と人格への顧慮
二 人為的な徳と社会的世界
三 事実と規範再び
ヒュームにおける社会科学の生誕
はじめに
一 理性主義哲学の批判と社会科学の方法
二 社会科学における因果法則と人間の自由
三 法則科学としての「政治学」
四 社会科学における偶然と必然
五 文明の学としての社会科学
哲学的精神と時代の精神
はじめに
一 人間本性の斉一性と文明の盛衰
二 一般的原因と偶然
三 歴史の効用
四 「時代の精神」
研究案内・年譜
ヒューム研究案内
一 ヒュームのテキスト
二 邦訳
三 ヒューム研究
四 日本におけるヒューム研究
ヒューム関係年譜
あとがき──ヒューミアンであるとはどのようなことか?
索引(人名・事項)
執筆者
神野 慧一郎(カミノ ケイイチロウ)
大阪市立大学名誉教授。著書;『ヒューム研究』(ミネルヴァ書房)、『モラル・サイエンスの形成』(名古屋大学出版会)、訳書;ヒュプナー『科学的理性批判』『神話の真理』(法政大学出版局、共訳)ほか。
一ノ瀬 正樹(イチノセ マサキ)
東京大学大学院人文社会系研究科教授。哲学専攻。著書;『原因と理由の迷宮』(勁草書房)、『死の所有』(東京大学出版会)、『確率と曖昧性の哲学』(岩波書店)ほか。
真船 えり(マフネ エリ)
日本大学文理学部、慶應義塾大学非常勤講師。哲学専攻。論文;「ヒュームにおける心身問題について─デカルトからヒュームへ─」(『精神科学』日本大学哲学研究室、第47号)ほか。
久米 暁(クメ アキラ)
関西学院大学文学部教授。哲学専攻。著書;『ヒュームの懐疑論』(岩波書店)、訳書;ハッキング『何が社会的に構成されるのか』(岩波書店、共訳)ほか。
石川 徹(イシカワ トオル)
香川大学教育学部教授。哲学専攻。著書;『西洋哲学史〔近代編〕』(ミネルヴァ書房、共著)ほか。
伊勢 俊彦(イセ トシヒコ)
立命館大学文学部教授。英米近現代文学専攻。論文;「自然と規範──ヒュームの約束論における」(『科学哲学』第30号)ほか。
坂本 達哉(サカモト タツヤ)
慶應義塾大学経済学部教授。社会思想史専攻。著書;『ヒュームの文明社会』(創文社)ほか。
壽里 竜(スサト リュウ)
関西大学経済学部准教授。社会思想史専攻。論文;“The Idea of Chivalry in the Scottish Enlightenment: The Case of David Hume,” Hume Studies 33:1ほか。
神野 慧一郎(カミノ ケイイチロウ)
大阪市立大学名誉教授。著書;『ヒューム研究』(ミネルヴァ書房)、『モラル・サイエンスの形成』(名古屋大学出版会)、訳書;ヒュプナー『科学的理性批判』『神話の真理』(法政大学出版局、共訳)ほか。
一ノ瀬 正樹(イチノセ マサキ)
東京大学大学院人文社会系研究科教授。哲学専攻。著書;『原因と理由の迷宮』(勁草書房)、『死の所有』(東京大学出版会)、『確率と曖昧性の哲学』(岩波書店)ほか。
真船 えり(マフネ エリ)
日本大学文理学部、慶應義塾大学非常勤講師。哲学専攻。論文;「ヒュームにおける心身問題について─デカルトからヒュームへ─」(『精神科学』日本大学哲学研究室、第47号)ほか。
久米 暁(クメ アキラ)
関西学院大学文学部教授。哲学専攻。著書;『ヒュームの懐疑論』(岩波書店)、訳書;ハッキング『何が社会的に構成されるのか』(岩波書店、共訳)ほか。
石川 徹(イシカワ トオル)
香川大学教育学部教授。哲学専攻。著書;『西洋哲学史〔近代編〕』(ミネルヴァ書房、共著)ほか。
伊勢 俊彦(イセ トシヒコ)
立命館大学文学部教授。英米近現代文学専攻。論文;「自然と規範──ヒュームの約束論における」(『科学哲学』第30号)ほか。
坂本 達哉(サカモト タツヤ)
慶應義塾大学経済学部教授。社会思想史専攻。著書;『ヒュームの文明社会』(創文社)ほか。
壽里 竜(スサト リュウ)
関西大学経済学部准教授。社会思想史専攻。論文;“The Idea of Chivalry in the Scottish Enlightenment: The Case of David Hume,” Hume Studies 33:1ほか。