進藤 久美子(シンドウ クミコ)
1945年高知県生まれ。1971年ペンシルヴァニア州立大学大学院歴史学研究科修士課程修了(M.A.)。1980年、立教大学大学院文学研究科博士課程満期退学。現在、東洋英和女学院大学国際社会学部教授。法学博士。専攻は、アメリカ史、ジェンダー・スタディーズ。主な著書に、『ジェンダー・ポリティックス─変革期アメリカの政治と女性』(新評論、1997年)、『ジェンダーで読む日本政治──歴史と政策』(有斐閣、2004年)、訳書に、S.バスネット著『世紀末のフェミニズム──四つの国の女たち』(田畑書店、1993年)、K.グリーンスパン著『世界女性史年表』(共訳、明石書店、2003年)、J.アン・ティックナー著『国際関係論とジェンダー──安全保障のフェミニズムの見方』(共訳、岩波書店、2005年)、ほか。
※上記内容は本書刊行時のものです。一 市川房枝│孤高の女性政治家
二 フェミニズムと戦争
第Ⅰ部 市川房枝とその時代──戦争と日本型ジェンダー・ポリティックスの創生
第1章 婦選運動家市川房枝の誕生
一 運動家誕生の軌跡
二 婦選運動の起点──新婦人協会
三 渡米、そしてひとつの決意
第2章 平時の婦選運動──はじまりと展開
一 関東大震災から婦選獲得同盟の組織化へ
二 「婦人」参政権運動の日本型展開
三 平時婦選運動の登りつめた地点
第3章 満州事変後の婦選運動の展開
一 満州事変と婦選
二 満州事変に対する女性指導者の反応──山川菊栄と市川房枝を軸に
三 いかにして、どの時点まで「参政権運動」は模索されたのか?
第4章 準戦時期婦選運動の反戦活動
一 反動的社会と婦選の両義的対応──体制批判とすり合わせ
二 反戦の論理
三 反戦の婦選活動
第5章 日本型ジェンダー・ポリティックスの誕生
一 背景──時代の要請と新争点の導入
二 生活者の視座の導入と婦選活動の新展開
三 母性保護法制定運動への取り組み
四 まとめにかえて──戦中・戦後につながるジェンダー・ポリティックス
第Ⅱ部 婦選運動家市川房枝の戦争協力──盧溝橋事件・日中全面戦争から敗戦まで
第6章 国民精神総動員運動と市川のかかわり方
一 軍ファシズムの台頭と「第三の道」の選択
二 精動運動と女性調査委員の登用
三 精動運動の第一段階の各種調査委員として
四 精動運動の第一段階での市川の働き
第7章 国民精神総動員運動の政府委員としての働き
一 精動運動の第二段階に向けて
二 国民精神総動員委員会の幹事として
三 公私生活の戦時体制化をめぐって
四 大蔵省の貯蓄奨励委員として
五 精動運動の第三段階│国民精神総動員本部の参与として
六 精動運動の第二、第三段階での市川の働き
第8章 国民精神総動員運動下の婦選活動
一 日本婦人団体連盟の組織化と活動
二 婦人時局研究会の立ち上げ
三 婦人問題研究所の創設と獲得同盟の解消
四 まとめにかえて──国民精神総動員運動下の戦争協力
第9章 中国への旅──転向の契機
一 「銃後の動員」と日中女性たちの連携
二 東亜新秩序構想と中国への旅
三 中国情報の発信──何を伝えたか
四 東亜連盟協会に女性部を設置
第10章 新政治体制から大政翼賛体制へ──転向の軌跡
一 新政治体制支持へ──代議制の否定
二 女性の再組織に向けて──市川の「婦人再組織論」
三 大政翼賛会の改組と自由主義からの乖離
四 大政翼賛会調査委員として
第11章 「大東亜戦争」下の戦争協力──転向
一 日米開戦と「聖戦」意識の高揚
二 翼賛選挙と市川のかかわり
三 大日本婦人会審議員として
四 大日本言論報国会理事として
第12章 市川の戦争協力は、どこに帰着したのか?
一 徹底した女性動員の政策提言
二 「大衆婦人」たちへの働きかけ──皇国フェミニズムの称揚
三 敗戦と涙そして戦後対策婦人委員会の立ち上げ
終章 歴史をつなげる
一 終戦直後の市川の活動と言説
二 再検証│転向の軌跡とその意味
三 フェミニズムと国家
四 市川のメッセージ
主な参考文献
あとがき
事項索引
人名索引
書評掲載
「朝日新聞」(2014年4月20日付/原武史氏・評)に紹介されました。
「東京新聞/中日新聞」(2014年4月27日付/渡邉澄子氏・評)、「西日本新聞」(2014年6月8日付/同)に紹介されました。
「出版ニュース」(2014年5月上旬号)に紹介されました。
「信濃毎日新聞」「下野新聞」「神奈川新聞」「山梨日日新聞」「神戸新聞」(以上、2014年4月27日付)、「福井新聞」「京都新聞」(以上、2014年5月4日付)、「南日本新聞」(2014年5月11日付)、「新潟日報」(2014年5月18日付)、「山形新聞」(2014年6月1日付)に紹介されました。
「読売新聞」(2014年5月25日付/宇野重規氏・評)に紹介されました。
「毎日新聞」(2014年8月18日付/文・写真:栗原俊雄氏)に、著者インタビューが掲載されました。
「女性情報」(2014年9月号)に、著者による寄稿が掲載されました。
月刊「みすず」(2015年1・2月合併号、読書アンケート特集/石田雄氏・評)に紹介されました。
「歴史評論」(2015年5月号/米田佐代子氏・評)に紹介されました。
「日本歴史」(2015年7月号/石月静恵氏・評)に紹介されました。