現代イエメンの経済・文化・社会に大きな影響力をもつ嗜好品カート。その生産・流通・消費をめぐる現地調査を通じて、イエメン独自のイスラーム社会を描いた民族誌的研究。商品作物としてのカートについて日本語で書かれた初の総合的モノグラフである本書は、中東世界の多様性のみならず、人類の嗜好品との関係について普遍的な理解をもたらす。地域研究を超えた、人文社会科学全般への貢献。
大坪 玲子(オオツボ レイコ)
東京大学教養学部教養学科卒業、東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位修得退学。博士(学術)。現在同研究科学術研究員。専門は文化人類学。共著に『〈断〉 と 〈続〉 の中東──非境界世界を游ぐ』悠書館(2015年)、主な論文に「誠実な浮気者──イエメンにおけるカート市場の事例から」『文化人類学』(2013年)、「浮気できない人々──イエメンのカート商人の比較」『アジア・アフリカ言語文化研究』(2016年)がある。
※上記内容は本書刊行時のものです。序 論 イエメン、カート、イスラーム
1 はじめに
2 一つめの違和感──部族とカート
3 二つめの違和感──イスラーム経済とカート
4 本書の構成
5 調査に関して
第1章 カート伝来と消費の拡大
1 はじめに
2 カート伝来
3 広がる消費
4 南北イエメン時代
5 統合イエメン時代
第Ⅰ部 カートを噛む
セッション会場にて
第2章 カートをめぐるマナー
1 噛む準備
2 セッション会場
3 通過儀礼とカート
第3章 消費の変化
1 はじめに
2 一九七〇年代のカート・セッションの特徴
3 二〇〇〇年代のカート・セッションの特徴
4 おわりに
コラム 男女の生活空間の分離の実際
第Ⅱ部 嗜好品か薬物か
嗜好品への執念
第4章 薬物としてのカート
1 生産地と消費地
2 薬物とは何か
3 薬物としてのカート
4 イエメンにおけるカート問題
第5章 嗜好品としてのカート
1 嗜好品とは何か
2 結衆の手段
3 消費する場所
4 消費形態の多様化
コラム イルハームの決断
第Ⅲ部 カートを作る
カート生産地にて
第6章 生産者とカート
1 生産方法
2 生産者の生活
第7章 コーヒーとカート
1 はじめに
2 生産と販売の比較
3 カート化の実際
4 コーヒー化の可能性
コラム 飲み物の話
第Ⅳ部 カートを売買する
カート市場にて
第8章 流通経路とその効率化
1 はじめに
2 市場、商人、カート
3 道路開発と流通量の増加
4 流通の特徴と変化
5 おわりに
第9章 商人、生産者、購入者の関係
1 はじめに
2 情報の非対称性と信頼関係
3 カート市場の特徴
4 カート市場における信頼関係
5 考 察
コラム 女性と買い物
結 論 ゆるやかな関係
1 議論の総括
2 ゆるやかな関係
あとがき
資 料
参考文献
索 引
1 はじめに
2 一つめの違和感──部族とカート
3 二つめの違和感──イスラーム経済とカート
4 本書の構成
5 調査に関して
第1章 カート伝来と消費の拡大
1 はじめに
2 カート伝来
3 広がる消費
4 南北イエメン時代
5 統合イエメン時代
第Ⅰ部 カートを噛む
セッション会場にて
第2章 カートをめぐるマナー
1 噛む準備
2 セッション会場
3 通過儀礼とカート
第3章 消費の変化
1 はじめに
2 一九七〇年代のカート・セッションの特徴
3 二〇〇〇年代のカート・セッションの特徴
4 おわりに
コラム 男女の生活空間の分離の実際
第Ⅱ部 嗜好品か薬物か
嗜好品への執念
第4章 薬物としてのカート
1 生産地と消費地
2 薬物とは何か
3 薬物としてのカート
4 イエメンにおけるカート問題
第5章 嗜好品としてのカート
1 嗜好品とは何か
2 結衆の手段
3 消費する場所
4 消費形態の多様化
コラム イルハームの決断
第Ⅲ部 カートを作る
カート生産地にて
第6章 生産者とカート
1 生産方法
2 生産者の生活
第7章 コーヒーとカート
1 はじめに
2 生産と販売の比較
3 カート化の実際
4 コーヒー化の可能性
コラム 飲み物の話
第Ⅳ部 カートを売買する
カート市場にて
第8章 流通経路とその効率化
1 はじめに
2 市場、商人、カート
3 道路開発と流通量の増加
4 流通の特徴と変化
5 おわりに
第9章 商人、生産者、購入者の関係
1 はじめに
2 情報の非対称性と信頼関係
3 カート市場の特徴
4 カート市場における信頼関係
5 考 察
コラム 女性と買い物
結 論 ゆるやかな関係
1 議論の総括
2 ゆるやかな関係
あとがき
資 料
参考文献
索 引
書評掲載
「イスラーム世界研究」(12号 2019年3月25日発行/松本弘氏・評)に紹介されました。
「イスラム世界」(90号 2018年11月/馬場多聞氏・評)に紹介されました。