「ポストモダニズム」の潮流以降、文学=虚構(フィクション)・歴史=事実という二項対立の構図は自明のものではなくなった。本書は、フランス革命期のイギリス女性作家であるM. ヘイズ、H. M. ウィリアムズや、D. デフォーらの作品等について、文学と歴史学という垣根を取り払い、おのおのの分野で培われてきたテクスト・史料の「読み」を相互に突き合わせることで、新しい英国学の展望を切り拓く。
見市 雅俊(ミイチマサトシ)
1946年東京都生まれ。東京教育大学文学部卒業、一橋大学大学院社会学研究科博士課程中退。京都大学人文科学研究所、和歌山大学経済学部を経て、現在、中央大学文学部教授。中央大学図書館長。専攻はイギリス近代史。
主な著訳書に、『コレラの世界史』(晶文社、1994年)、『ロンドン=炎が生んだ世界都市』(講談社、1999年)、『記憶のかたち』(共編、柏書房、1999年)、『疾病・開発・帝国医療』(共編、東京大学出版会、2001年)、『路地裏の大英帝国』(共著、平凡社、1982年)、S. ハウ『帝国』(岩波書店、2003年)、R. ポーター『啓蒙主義』(同、2004年)、ほか。
はじめに
第1章 島国の誕生──カムデンからデフォーへ
一 はじめに
二 カムデンからデフォーへ
三 島国の誕生
四 異界
五 島国の過去
六 おわりに――島国の終焉?
第2章 共感の行方──書きかえられる『ロビンソン・クルーソー』
一 はじめに
二 ベストセラー『ロビンソン・クルーソー』とその変容
三 ダイジェスト版の定番
四 民衆向けのテクスト
五 おわりに
第3章 女性のための歴史とフィクション──メアリ・ヘイズが試みたジャンルの再編
一 はじめに
二 女性の読書とメアリ・ヘイズ
三 役に立つフィクションとは何か――『エマ・コートニーの回想』
四 楽しめる歴史とは何か――『女性評伝集』
五 おわりに
第4章 境界線上のルポルタージュ──あるイギリス人女性とフランス革命
一 はじめに
二 不安定な言説
三 女性の言説と公共圏
四 言説の革命性と革命の言説性
五 多層的な語りの構造
六 ぶれる評価
七 おわりに
第5章 動くパノラマを求めて──旅と国家
一 はじめに
二 デフォーの旅――国家の想像
三 コベットの旅――農村と国家
四 ヤングの旅――農村とピクチャレスク
五 おわりに
第6章 歴史の語り──史料が表象する「過去」
一 はじめに
二 ポストモダニズムと歴史研究
三 過去の「事実」とは何か
四 史料と外部世界
五 おわりに
事項索引
文献索引
人名索引
第1章 島国の誕生──カムデンからデフォーへ
一 はじめに
二 カムデンからデフォーへ
三 島国の誕生
四 異界
五 島国の過去
六 おわりに――島国の終焉?
第2章 共感の行方──書きかえられる『ロビンソン・クルーソー』
一 はじめに
二 ベストセラー『ロビンソン・クルーソー』とその変容
三 ダイジェスト版の定番
四 民衆向けのテクスト
五 おわりに
第3章 女性のための歴史とフィクション──メアリ・ヘイズが試みたジャンルの再編
一 はじめに
二 女性の読書とメアリ・ヘイズ
三 役に立つフィクションとは何か――『エマ・コートニーの回想』
四 楽しめる歴史とは何か――『女性評伝集』
五 おわりに
第4章 境界線上のルポルタージュ──あるイギリス人女性とフランス革命
一 はじめに
二 不安定な言説
三 女性の言説と公共圏
四 言説の革命性と革命の言説性
五 多層的な語りの構造
六 ぶれる評価
七 おわりに
第5章 動くパノラマを求めて──旅と国家
一 はじめに
二 デフォーの旅――国家の想像
三 コベットの旅――農村と国家
四 ヤングの旅――農村とピクチャレスク
五 おわりに
第6章 歴史の語り──史料が表象する「過去」
一 はじめに
二 ポストモダニズムと歴史研究
三 過去の「事実」とは何か
四 史料と外部世界
五 おわりに
事項索引
文献索引
人名索引
執筆者
佐藤 和哉(サトウ カズヤ)
1965年福岡県生まれ。東京大学教養学部卒業、東京大学大学院総合文化研究科博士課程中退、オックスフォード大学近現代史研究科修士課程修了。東京外国語大学外国語学部を経て、現在、日本女子大学文学部教授。専攻はイギリス文化研究。
主な著訳書に、『集いのかたち』(共著、柏書房、2004年)、『絵本が語りかけるもの』(共著、松柏社、2004年)、『読書する女性たち』(共著、彩流社、2006年)、C. W. ボーモント『ジゼルという名のバレエ』(新書館、1992年)、ほか。
梅垣 千尋(ウメガキ チヒロ)
1973年東京都生まれ。一橋大学社会学部卒業、ヨーク大学一八世紀研究所修士課程修了、一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位修得退学。日本学術振興会特別研究員を経て、現在、青山学院女子短期大学准教授。専攻はイギリス思想史、イギリス女性史。
主な著訳書に、『イギリス近現代女性史研究入門』(共著、青木書店、2006年)、『ジェンダーの基礎理論と法』(共著、東北大学出版会、2007年)、『イギリス文化史』(共著、昭和堂、2010年)、E. J. ヨー編『フェミニズムの古典と現代』(現代思潮新社、2002年)、ほか。
大石 和欣(オオイシ カズヨシ)
1968年静岡県生まれ。東京大学文学部卒業、東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了、オックスフォード大学英文科修士・博士課程修了。日本学術振興会特別研究員、放送大学教養学部を経て、現在、名古屋大学大学院文学研究科准教授。専攻はイギリス文学。
主な編著書に、The Reception of Blake in the Orient(co‐ed., Continuum, 2006)、『農耕詩の諸変奏』(共著、英宝社、2008年)、『十八世紀イギリス文学研究4』(共著、開拓社、2010年)、Foundations of the National Trust: Lives and Works of Octavia Hill、 Robert Hunter and H. D. Rawnsley、 5vols. (co‐ed.、 Eureka Press、 2011)、『英語総合A('05)~歴史・文化・社会』(共編著、放送大学教育振興会、2005年)、『世界の名作を読む('07)』(共著、同、2007年)、『異文化の交流と共存('09)』(共著、同、2009年)、ほか。
富山 太佳夫(トミヤマ タカオ)
1947年鳥取県生まれ。東京大学文学部卒業、東京大学大学院人間科学研究科修士課程修了。お茶の水女子大学文教育学部、成城大学文学部を経て、現在、青山学院大学文学部教授。専攻はイギリス文学。
主な著訳書に、『シャーロック・ホームズの世紀末』(青土社、1993年)、『ポパイの影に』(みすず書房、1996年)、『文化と精読』(名古屋大学出版会、2003年)、『英文学への挑戦』(岩波書店、2008年)、『おサルの系譜学』(みすず書房、2009年)、S. ソンタグ『隠喩としての病い・エイズとその隠喩』(新版)(みすず書房、1992年)、『火山に恋して』(同、2001年)、『書くこと、ロラン・バルトについて』(同、2009年)、E. ウォー『大転落』(岩波書店、1991年)、J. カラー『ディコンストラクションⅠ・Ⅱ』(共訳、同、1998年)、ほか。
森村 敏己(モリムラ トシミ)
1960年三重県生まれ。一橋大学商学部卒業、一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、一橋大学大学院社会学研究科教授。専攻はフランス思想史。
主な編著書に、『名誉と快楽――エルヴェシウスの功利主義』(法政大学出版局、1994年)、『視覚表象と集合的記憶』(編著、旬報社、2006年)、『記憶のかたち』(共編、柏書房、1999年)、『集いのかたち』(共編、柏書房、2004年)、『平和と和解の思想をたずねて』(共著、大月書店、2010年)、ほか。
佐藤 和哉(サトウ カズヤ)
1965年福岡県生まれ。東京大学教養学部卒業、東京大学大学院総合文化研究科博士課程中退、オックスフォード大学近現代史研究科修士課程修了。東京外国語大学外国語学部を経て、現在、日本女子大学文学部教授。専攻はイギリス文化研究。
主な著訳書に、『集いのかたち』(共著、柏書房、2004年)、『絵本が語りかけるもの』(共著、松柏社、2004年)、『読書する女性たち』(共著、彩流社、2006年)、C. W. ボーモント『ジゼルという名のバレエ』(新書館、1992年)、ほか。
梅垣 千尋(ウメガキ チヒロ)
1973年東京都生まれ。一橋大学社会学部卒業、ヨーク大学一八世紀研究所修士課程修了、一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位修得退学。日本学術振興会特別研究員を経て、現在、青山学院女子短期大学准教授。専攻はイギリス思想史、イギリス女性史。
主な著訳書に、『イギリス近現代女性史研究入門』(共著、青木書店、2006年)、『ジェンダーの基礎理論と法』(共著、東北大学出版会、2007年)、『イギリス文化史』(共著、昭和堂、2010年)、E. J. ヨー編『フェミニズムの古典と現代』(現代思潮新社、2002年)、ほか。
大石 和欣(オオイシ カズヨシ)
1968年静岡県生まれ。東京大学文学部卒業、東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了、オックスフォード大学英文科修士・博士課程修了。日本学術振興会特別研究員、放送大学教養学部を経て、現在、名古屋大学大学院文学研究科准教授。専攻はイギリス文学。
主な編著書に、The Reception of Blake in the Orient(co‐ed., Continuum, 2006)、『農耕詩の諸変奏』(共著、英宝社、2008年)、『十八世紀イギリス文学研究4』(共著、開拓社、2010年)、Foundations of the National Trust: Lives and Works of Octavia Hill、 Robert Hunter and H. D. Rawnsley、 5vols. (co‐ed.、 Eureka Press、 2011)、『英語総合A('05)~歴史・文化・社会』(共編著、放送大学教育振興会、2005年)、『世界の名作を読む('07)』(共著、同、2007年)、『異文化の交流と共存('09)』(共著、同、2009年)、ほか。
富山 太佳夫(トミヤマ タカオ)
1947年鳥取県生まれ。東京大学文学部卒業、東京大学大学院人間科学研究科修士課程修了。お茶の水女子大学文教育学部、成城大学文学部を経て、現在、青山学院大学文学部教授。専攻はイギリス文学。
主な著訳書に、『シャーロック・ホームズの世紀末』(青土社、1993年)、『ポパイの影に』(みすず書房、1996年)、『文化と精読』(名古屋大学出版会、2003年)、『英文学への挑戦』(岩波書店、2008年)、『おサルの系譜学』(みすず書房、2009年)、S. ソンタグ『隠喩としての病い・エイズとその隠喩』(新版)(みすず書房、1992年)、『火山に恋して』(同、2001年)、『書くこと、ロラン・バルトについて』(同、2009年)、E. ウォー『大転落』(岩波書店、1991年)、J. カラー『ディコンストラクションⅠ・Ⅱ』(共訳、同、1998年)、ほか。
森村 敏己(モリムラ トシミ)
1960年三重県生まれ。一橋大学商学部卒業、一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、一橋大学大学院社会学研究科教授。専攻はフランス思想史。
主な編著書に、『名誉と快楽――エルヴェシウスの功利主義』(法政大学出版局、1994年)、『視覚表象と集合的記憶』(編著、旬報社、2006年)、『記憶のかたち』(共編、柏書房、1999年)、『集いのかたち』(共編、柏書房、2004年)、『平和と和解の思想をたずねて』(共著、大月書店、2010年)、ほか。
富山太佳夫『英文学への挑戦』(岩波書店、2008年)、K・トマス『歴史と文学』(中島俊郎編訳、みすず書房、2001年)