評伝 ジョージ・ケナン
対ソ「封じ込め」の提唱者

四六判 / 282ページ / 上製 / 価格 3,190円 (消費税 290円) 
ISBN978-4-588-36606-2 C1023 [2011年08月 刊行]

内容紹介

1946年、病床のなかで口述筆記されたロシアからの長電文。のちにそれは「X」という匿名論文として『フォーリン・アフェアーズ』誌に掲載され、戦後アメリカ外交の「封じ込め」政策の指針となった。その筆者、外交官にして歴史家だったケナンが主張し続けたものは何であったか。本書はケナンと親交の深かった著者が、その生い立ちから性格、経歴、死にいたるまでの101年の生涯を描く。

著訳者プロフィール

ジョン・ルカーチ(ルカーチ,ジョン)

1924年ハンガリー生まれ。1946年、共産化するハンガリーを離れ、アメリカに移住する。1947~94年までチェスナット・ヒル・カレッジ(Chestnut Hill College)歴史学部で教鞭をとったほか、ジョンズ・ホプキンス大学、コロンビア大学、プリンストン大学などの客員教授を務めた。30冊を超える著書があるが、邦訳書として、『大過渡期の現代』(救仁郷繁訳、ぺりかん社、1978年)、『ブダペストの世紀末』(早稲田みか訳、白水社、1991年)、『ヒトラー対チャーチル』(秋津信訳、共同通信社、1995年)がある。また、近著には、Churchill: Visionary, Statesmen, Historian (New Haven, Conn.: Yale University Press, 2004), June 1941: Hitler and Stalin (Yale UP, 2006), The Legacy of the Second World War (Yale UP, 2010), The Future of History (Yale UP, 2011) などがある。

菅 英輝(カン ヒデキ)

1942年生まれ。現在、西南女学院大学人文学部教授。専攻はアメリカ外交史、国際関係論。主な著書に、『アメリカの世界戦略――戦争はどう利用されるのか』(中公新書、2008年)、『東アジアの歴史摩擦と和解可能性――冷戦後の国際秩序と歴史認識をめぐる諸問題』(編著、凱風社、2011年)、『冷戦史の再検討――変容する秩序と冷戦の終焉』(編著、法政大学出版局、2010年)、『アメリカの戦争と世界秩序』(編著、同、2008年)、『21世紀の安全保障と日米安保体制』(共編著、ミネルヴァ書房、2005年)、『アメリカ20世紀史』(共著、東京大学出版会、2003年)、ほか。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

1 孤独な青年時代
2 国務省外交局の時代
3 アメリカ丸のブリッジに立つ一等航海士
4 ワシントンからプリンストンへ
5 アメリカの良心
6 歴史家
7 哲学、宗教・追憶・晩年

 註記
 付録―二つの最良のとき
 さらなる研究のための提言
 訳者解説
 索引

関連書籍

ケナン『アメリカ外交50年』(岩波書店)、『ジョージ・F・ケナン回顧録』(読売新聞社)