アードルフ・ヒトラー
ある独裁者の伝記

四六判 / 370ページ / 上製 / 価格 4,180円 (消費税 380円) 
ISBN978-4-588-36610-9 C0022 [2023年04月 刊行]

内容紹介

入試に失敗し職にも就かず鬱々と暮らしていた一人の名もない青年は、またたく間に大衆の指導者に上りつめ、第一次大戦で疲弊していた人びとの熱狂を呼ぶ。なぜ政治的に未知数の人間がこれほど強大な権力を手にし、とてつもない破壊を引き起こしたのか。本書はその生涯を、徹底した自己演出と、部下を巧みに競わせる政治スタイルに着目して描き出す。最新の研究成果を反映した伝記の決定版。

著訳者プロフィール

ハンス=ウルリヒ・ターマー(ハンス ウルリヒ ターマー)

ハンス・ウルリヒ・ターマー(Hans-Ulrich Thamer)
1943年ローテンブルク・アン・デア・フルダ生まれ。マールブルクのフィリップス大学とベルリン自由大学で歴史,古典文献学,政治学を学ぶ。1980年エアランゲン=ニュルンベルクのフリードリヒ=アレクサンダー大学歴史研究所で大学教授資格を取得。1983年から定年退職までミュンスターのヴェストファーレン・ヴィルヘルムス大学で近現代史の教鞭を執る。1991年からヴェストファーレン歴史委員会の正会員。研究の重点は,ナチズム,ヨーロッパのファシズム,フランス革命。Die NSDAP, Von der Gründung bis zum Ende des Dritten Reiches, Beck, München 2020ほか著書多数。

斉藤 寿雄(サイトウ ヒサオ)

斉藤寿雄 1954年長野県生まれ。現在,早稲田大学政治経済学部教授。専門は20世紀のドイツ詩。『冷戦の闇を生きたナチス』『ナチスからの「回心」』『ナチス第三帝国を知るための101の質問』『反ユダヤ主義とは何か』『第三帝国の歴史』ほか訳書多数。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

日本の読者へ
第一章 序論
第二章 無名の男 1889-1919
第三章 煽動家 1920-1923
第四章 「指導者」の捏造 1924-1929
第五章 権力要求と権力闘争 1929-1933
第六章 国民の「総統」 1933-1939
第七章 最高司令官とナチスの犯罪
第八章 ヒトラーは終わらない

訳者あとがき
主な文献
人名索引・地名索引

書評掲載

「毎日新聞」(2023年07月08日付/飯島洋一氏・評)に紹介されました。

「毎日新聞」(2023年12月23日付、2023年「この3冊」下/飯島洋一氏・評)に紹介されました。

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