主著『フランス革命についての省察』により、政治的ロマン主義の源流、保守主義の父祖と位置づけられてきた思想家バーク。その研究史をふまえつつ、アメリカ独立期およびフランス革命期ヨーロッパの言説空間を立体的に捉え直すことで従来のバーク理解を刷新する。コモン・ロー、社会契約論、そして国制をめぐるプライス、ペイン、シィエスらとの論争から浮かび上がる〈自由な国家〉とはいかなるものか。
高橋 和則(タカハシ カズノリ)
高橋 和則(タカハシ カズノリ)
中央大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程後期単位取得退学(政治学)。現在、中央大学ほか非常勤講師。共著に『公共空間とデモクラシー』(星野智編、中央大学出版部、2004年)、『市民社会と立憲主義』(中野勝郎編、法政大学出版局、2012年)、『境界線の法と政治』(中野勝郎編、法政大学出版局、2016年)、『バーク読本』(中澤信彦・桑島秀樹編、昭和堂、2017年)などがある。
凡 例
序 文
第一章 初期バークの国制理解
第一節 バークの「歴史書」について
一 啓蒙主義の時代の歴史書
二 イギリスの歴史書としてのバークの歴史書
第二節 党派的歴史
第三節 コモン・ロー思想
一 卓越した国制と慣習法
二 古来の国制とコモン・ロー
三 非歴史的法と国制の読み替え
四 歴史的法と国制の擁護
第四節 バークにおける国制と法
一 コモン・ロー思想における十八世紀的問題
二 バークによるコモン・ロー思想の再構成
三 法の連続性
四 ヨーロッパとの「交流」
(一)古来の国制の改善
(二)国制の語義
(三)文明化としての交流
第二章 アメリカ独立をめぐる国制論
第一節 均衡した国制
第二節 「均衡した国制」の改正──プライスの場合
一 自由論
二 立法論
三 国制論
第三節 「均衡した国制」批判──ペインの場合
一 「均衡した国制」批判
二 未完成のアメリカ
第四節 国制の精神──バークの場合
一 自由と国家
二 国制の精神
第三章 フランス革命をめぐる国制論
第一節 共和政と代議制──トマス・ペインの場合
一 共和政論
二 権利論と憲法制定権力論
第二節 「均衡した国制」の改善──リチャード・プライスの場合
一 共和政批判
二 イギリス優位論批判
第三節 社会契約と抵抗権──プライスとバークとの論争の場合
一 プライスとの論争
二 社会契約の性質
三 社会契約の成立
四 社会契約の解除
五 自然状態と正義
六 自然状態と中間団体
第四節 「均衡した国制」と憲法制定権力論批判──バークの場合
一 人権宣言草案における思想的布置
二 シィエスの議論
三 イギリスの国制の評価
(一)シィエスの「イギリスの国制」批判
(二)バークによる反論
四 憲法制定権力論とその批判
(一)シィエスの憲法制定権力論
(二)バークの憲法制定権力論批判
終わりに
あとがき
参考文献
注
事項索引
人名索引
序 文
第一章 初期バークの国制理解
第一節 バークの「歴史書」について
一 啓蒙主義の時代の歴史書
二 イギリスの歴史書としてのバークの歴史書
第二節 党派的歴史
第三節 コモン・ロー思想
一 卓越した国制と慣習法
二 古来の国制とコモン・ロー
三 非歴史的法と国制の読み替え
四 歴史的法と国制の擁護
第四節 バークにおける国制と法
一 コモン・ロー思想における十八世紀的問題
二 バークによるコモン・ロー思想の再構成
三 法の連続性
四 ヨーロッパとの「交流」
(一)古来の国制の改善
(二)国制の語義
(三)文明化としての交流
第二章 アメリカ独立をめぐる国制論
第一節 均衡した国制
第二節 「均衡した国制」の改正──プライスの場合
一 自由論
二 立法論
三 国制論
第三節 「均衡した国制」批判──ペインの場合
一 「均衡した国制」批判
二 未完成のアメリカ
第四節 国制の精神──バークの場合
一 自由と国家
二 国制の精神
第三章 フランス革命をめぐる国制論
第一節 共和政と代議制──トマス・ペインの場合
一 共和政論
二 権利論と憲法制定権力論
第二節 「均衡した国制」の改善──リチャード・プライスの場合
一 共和政批判
二 イギリス優位論批判
第三節 社会契約と抵抗権──プライスとバークとの論争の場合
一 プライスとの論争
二 社会契約の性質
三 社会契約の成立
四 社会契約の解除
五 自然状態と正義
六 自然状態と中間団体
第四節 「均衡した国制」と憲法制定権力論批判──バークの場合
一 人権宣言草案における思想的布置
二 シィエスの議論
三 イギリスの国制の評価
(一)シィエスの「イギリスの国制」批判
(二)バークによる反論
四 憲法制定権力論とその批判
(一)シィエスの憲法制定権力論
(二)バークの憲法制定権力論批判
終わりに
あとがき
参考文献
注
事項索引
人名索引