新訳 叢書・ウニベルシタス 1000
エクリチュールと差異

四六判 / 634ページ / 上製 / 価格 6,160円 (消費税 560円) 
ISBN978-4-588-01000-2 C1310 [2013年12月 刊行]

内容紹介

1960年代フランスの知的沸騰のなかで生まれ、痕跡、差延、脱構築などのデリダ的概念を展開した本書は、構造主義以後の思想界を決定づける著作となった。ルーセ、フーコー、ジャベス、レヴィナス、アルトー、フロイト、バタイユ、レヴィ=ストロースらの読解を通じて、主体と他者、言語と表象、存在と歴史についての哲学的思考を根底から書き換えた名著。叢書・ウニベルシタス1000番到達記念として新訳刊行!

著訳者プロフィール

J.デリダ(デリダ ジャック)

(Jacques Derrida)
1930-2004年。アルジェリア生まれのユダヤ系哲学者。パリの高等師範学校で哲学を専攻。同校の哲学教授を経て、社会科学高等研究院教授を務める。西洋形而上学におけるロゴス中心主義の脱構築を提唱し、構造主義以降の人文社会科学の広範な領域──文学・芸術理論、言語論、政治・法哲学、歴史学、建築論ほか──に多大な影響をもたらした。邦訳書に『エクリチュールと差異』『絵画における真理』『法の力』『ユリシーズ グラモフォン』『有限責任会社』『哲学の余白』『シニェポンジュ』『アーカイヴの病』『散種』(以上、法政大学出版局)、『声と現象』(理想社)、『グラマトロジーについて』(現代思潮新社)、『友愛のポリティックス』『フッサール哲学における発生の問題』『ならず者たち』(みすず書房)、『アポリア』(人文書院)、『そのたびごとにただ一つ、世界の終焉』(岩波書店)、『死を与える』(筑摩書房)、『精神分析の抵抗』(青土社)、『マルクスの亡霊たち』(藤原書店)、『条件なき大学』(月曜社)ほか多数。

合田 正人(ゴウダ マサト)

1957年生まれ。一橋大学社会学部卒業、東京都立大学大学院博士課程中退、同大学人文学部助教授を経て、明治大学文学部教授。主な著書:『レヴィナス』『レヴィナスを読む』(ちくま学芸文庫)、『ジャンケレヴィッチ』(みすず書房)、『吉本隆明と柄谷行人』『田辺元とハイデガー』(PHP新書)、『心と身体に響く、アランの幸福論』(宝島社)、『幸福の文法』(河出書房新社)ほか。主な訳書:レヴィナス『全体性と無限』(国文社)、同『存在の彼方へ』(講談社学術文庫)、デリダ『ユリシーズ グラモフォン』、セバー『限界の試練』(法政大学出版局)、グットマン『ユダヤ哲学』、ブーバー『ひとつの土地にふたつの民』(みすず書房)、ベルクソン『創造的進化』(ちくま学芸文庫)、マルタン『ドゥルーズ』(河出文庫)ほか多数。

谷口 博史(タニグチ ヒロシ)

1962年長崎県生まれ。一橋大学法学部卒業。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退。現在、中央大学法学部准教授。訳書にラクー=ラバルト『虚構の音楽』『経験としての詩』(未來社)、ブランショ『望みのときに』(未來社)、同『私についてこなかった男』(書肆心水)、レヴィナス『われわれのあいだで』『歴史の不測』、『ベルクソン講義録1・2』(法政大学出版局)ほか。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

力と意味作用

コギトと狂気の歴史

エドモン・ジャベスと書物の問い

暴力と形而上学──エマニュエル・レヴィナスの思想についての試論

「発生と構造」と現象学

吹きこまれ掠め取られる言葉

フロイトとエクリチュールの舞台

残酷演劇と再現前化の閉域

限定経済から一般経済へ──留保なきヘーゲル主義

人間科学の言説における構造、記号、遊び

省略

初出一覧
訳者あとがき(合田正人)