叢書・ウニベルシタス 1139
イメージは殺すことができるか

四六判 / 146ページ / 上製 / 価格 2,420円 (消費税 220円) 
ISBN978-4-588-01139-9 C1310 [2021年12月 刊行]

内容紹介

ネットやSNS、エンターテイメント上に犯罪やテロなどの暴力的映像が氾濫する現代。しかし、悪しきイメージの魅惑が、見る者に現実の暴力や殺人行為への欲望を引き起こさせるという俗説は真実なのか。まなざしとイメージ、芸術作品とプロパガンダとの関係を、受肉・一体化・化身などの概念を通じて分析し、現代世界においてイメージが要請する距離の必要を説く。イメージの哲学者モンザン初の邦訳書。

著訳者プロフィール

マリ=ジョゼ・モンザン(マリ ジョゼ モンザン)

(Marie-José Mondzain)
1942年、アルジェ生まれ。CNRS(フランス国立科学研究センター)名誉研究ディレクター。哲学者。主な著書に、『イメージ、イコン、エコノミー』(Image, icône, économie : les sources byzantines de l’imaginaire contemporain, Seuil, 1996)、『ホモ・スペクタトール』(Homo spectator, Bayard, 2007)、『押収──言葉の、イメージの、時間の』(Confiscation : des mots, des images et du temps, Les Liens qui libèrent, 2017)などがある。最新の著作は、『KはコロニーのK──カフカと想像的なものの脱植民地化』(K comme Kolonie : Kafka et la décolonisation de l’imaginaire, La Fabrique, 2020)。

澤田 直(サワダ ナオ)

1959年、東京生まれ。立教大学文学部教授。パリ第1大学博士課程修了(哲学博士)。専攻はフランス語圏文学・現代思想。著書に『〈呼びかけ〉の経験──サルトルのモラル論』(人文書院)、『ジャン=リュック・ナンシー』(白水社)、編著に『サルトル読本』 (法政大学出版局)、『異貌のパリ1919‒1939』(水声社)、訳書にサルトル『真理と実存』『言葉』(以上、人文書院)、同『自由への道』全6巻(共訳、岩波文庫)、レヴィ『サルトルの世紀』(共訳、藤原書店、第41回日本翻訳出版文化賞)、フォレスト『さりながら』(白水社、第15回日仏翻訳文学賞)、ペソア『[新編]不穏の書、断章』(平凡社ライブラリー)ほか。

黒木 秀房(クロキ ヒデフサ)

1984年、東京生まれ。立教大学外国語教育研究センター教育講師。専攻は現代フランス思想。著書に『ジル・ドゥルーズの哲学と芸術──ノヴァ・フィグラ』(水声社)、論文に「リアリズムの問題の哲学的射程──ドゥルーズ『シネマ』におけるネオレアリズモを出発点として」(『フランス哲学・思想研究』第25号、2020年)、「ドゥルーズと「フィクション」の問題──「ドラマ化」を中心に」(『フランス語フランス文学研究』第108号、2016年)ほか。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

Ⅰ イメージの暴力的な歴史

Ⅱ 画面上でおこる受肉、一体化、化身

Ⅲ 戦争のイメージとパフォーマンス

解 説    (黒木秀房)
訳者あとがき (澤田 直)

関連書籍

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