りぶらりあ選書
考える/分類する
日常生活の社会学

四六判 / 150ページ / 上製 / 価格 2,200円 (消費税 200円) 
ISBN978-4-588-02202-9(4-588-02202-4) C1336 [2000年02月 刊行]

内容紹介

日常卑近な〈もの〉の目録を列挙しつつ,収集—分類—整理という人間の社会 - 心理的素描を試みる考現学的考察を通じて,現代社会と人間の恐るべき変貌を描き出す。

著訳者プロフィール

ジョルジュ・ペレック(ペレック,G.)

1936年生まれのフランスの作家(両親はポーランド系ユダヤ人で、第二次大戦中に死去)。パリ大学、チュニス大学の文学部で学んだ後、国立学術研究センターに勤務。1965年、ヌーヴォー・ロマンの手法を駆使して消費社会の空しさを暴き出した処女作『物の時代』でルノドー賞を受賞。以後、大胆な実験作を次々と発表して注目を集め、1978年には大作『人生使用法』にメディシス賞が与えられたが、1982年、46歳の若さで病没。広範な視野から現代世界を鋭く抉るその前衛的作品群は、文学の新たな可能性をひらくものと評価されている。日本文学にも関心を寄せていたことは、本書中の『枕草子』からの引用においても示されている。邦訳作品に『眠る男』(海老坂武訳、晶文社)、『物の時代』『小さなバイク』(弓削三男訳、白水社)、『人生使用法』(酒詰治男訳、水声社)などがある。

阪上 脩(サカガミ オサム)

1934年生。京都大学大学院仏文科修士課程修了。法政大学名誉教授。訳書:アトラン『結晶と煙のあいだ』、デュラス『かくも長き不在』、ブレモン『物語のメッセージ』、デリダ『エクリチュールと差異』(共訳)、モラール『バベルの神話』(共訳)。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 まえがき

私が求めるものについてのノート

住むという動詞のいくつかの使い方

仕事机の上にあるいろいろな物についてのノート

見出された三つの部屋

本を整理する技術と方法についての覚え書き

斜めに見た十二章

策略の場

マレ=イザックの思い出

初心者用料理カード八十一枚

読むこと──社会‐心理的素描

理想的な都市を想像することの困難さ

眼鏡に関する考察

《考える/分類する》

 初出一覧
 訳者あとがき