叢書・ウニベルシタス 428
カント入門講義 〈新装版〉
『純粋理性批判』読解のために

四六判 / 204ページ / 上製 / 価格 2,750円 (消費税 250円) 
ISBN978-4-588-09937-3 C1310 [2011年04月 刊行]

内容紹介

人間理性の限界と可能性を究明し、近代哲学の基本文献とされるカント『純粋理性批判』について、初学徒のみならず専門研究者にも向けて入門的に解き明かし、カントの思想世界に導く。著作の成立と構成、方法論等々を簡潔に注解し、それ自身がはらむ問題・疑問にも言及する。

著訳者プロフィール

H.M.バウムガルトナー(バウムガルトナー ハンス ミヒャエル)

1933年生まれ.フランクフルト・アム・マイン,ゲッチンゲン,ミュンヘンの諸大学で,哲学・心理学・神学・数学などを学ぶ.ミュンヘン大学で,1962年に博士の学位取得(プロモチオーン)後,1971年に教授資格を獲得(ハビリタチオーン).1975年ギーセン大学教授,1975年以降ボン大学哲学科教授.また,1978年以降ゲレス協会の哲学部門主任,1986年以降ゲレス協会の学際的研究所所長や国際シェリング協会会長を歴任.1999年死去.

有福 孝岳(アリフク コウガク)

1939年生まれ.京都大学文学部哲学科哲学専攻卒業後,同大学院文学研究科博士課程単位取得により退学.文学博士.京都大学名誉教授.東亜大学客員教授.著書に『カントの超越論的主体性の哲学』(理想社),『道元の世界』(大阪書籍),『「正法眼蔵」に親しむ──道元の自然思想』(学生社),『カント哲学の現在』(共編著,世界思想社),『エチカとは何か──現代倫理学入門』(共編著,ナカニシヤ出版),『哲学の立場』(晃洋書房),『道元禅師のことば「修証義」入門』(法藏館),他に論文・翻訳など多数.

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 日本語版への序文
 まえがき
 序論

1 歴史的展望──経験論と合理論、独断論と懐疑論

2 超越論的哲学の理念と課題──『純粋理性批判』の第一版および第二版の序文と序論

3 『純粋理性批判』の構成──その体系的連関

4 感性──直観の形式としての空間と時間(超越論的感性論)

5 悟性──カテゴリーと原則(超越論的分析論)

6 理性──超越論的仮象と超越論的弁証論の課題

7 人間理性の自然的弁証論の意義とその成果

8 超越論的方法論

9 『純粋理性批判』の統一、ならびに他の批判的主著と『純粋理性批判』との連関

10 困難、問題、疑問

 あとがき──解説にかえて
 用語集
 文献目録
 事項索引
 人名索引

共訳者
太田伸一(オオタ シンイチ)
須藤訓任(ストウ ノリヒデ)
竹山重光(タケヤマ シゲミツ)
前田義郎(マエダ ヨシロウ)
望月俊孝(モチヅキ トシタカ)
山本精一(ヤマモト セイイチ)