ものと人間の文化史 149-Ⅰ
杉 Ⅰ

四六判 / 282ページ / 上製 / 価格 2,970円 (消費税 270円) 
ISBN978-4-588-21491-2 C0320 [2010年02月 刊行]

内容紹介

わが国の固有種である杉は「木の文化」の主役として古くから日本人の生活に関わってきた。その生態、天然分布の状況から各地の栽培・育種、利用にいたる歩みを弥生時代から今日までの人間の営みの中で捉え直す。近世における秋田杉、北山杉、吉野杉などの産地形成の経緯、藩による林業の育成と禁制、戦争や災害による荒廃、国有林や民有林の消長などにわたり、わが国林業史の展望の下に描き出す。〔植物文化史・環境〕

目次

  まえがき

序 章 杉の文化史への誘い
第一章 杉の生態
第二章 日本文化形成期の杉
第三章 近世の領主と杉
  一 藩主にようる杉の伐採制限
  二 秋田藩の財政と秋田杉
  三 幕府へ杉材を献上した高知藩
第四章 杉植林の進展とその背景
  一 近世の杉植林奨励とその背景
  二 近現代の杉植林の盛行とその背景