ローマ時代から中世のイングランド、スペイン、ポルトガルへ、近代初期のイングランドから「オランダのエルサレム」と謳われたアムステルダムへ──歴史の襞に分け入って「ヨーロッパの内なる異人」の歴史を複眼的に描く。ヨーロッパ史におけるユダヤ人の功罪、過酷な迫害の被害者であるとともに加害者でもあった彼らの正負をともに描いて、ヨーロッパの近代、さらには日本の近代を問い直す力篇。〔歴史・ユダヤ史〕
度会 好一(ワタライ ヨシイチ)
1938年東京生まれ.東京外国語大学卒業.東京大学大学院修士課程修了.イギリス文学・思想史専攻.成蹊大学教授,法政大学教授,日本英文学会大会準備委員長・編集委員を歴任.現在,法政大学名誉教授,The Jewish Historical Society of England 会員.著書に,『世紀末の知の風景──ダーウィンからロレンスまで』 (南雲堂),『ヴィクトリア朝の性と結婚』『魔女幻想──呪術から読み解くヨーロッパ』(以上,中公新書),『明治の精神異説──神経病・神経衰弱・神がかり』『ユダヤ人とイギリス帝国』(以上,岩波書店)などがある.
※上記内容は本書刊行時のものです。 はじめに iii
第一章 カエサルの友ユダヤ人
ヘレニズムとローマ帝国の
影の下で 1
第二章 カエサルの奴隷、神の敵、儀式殺人者
中世イングランドのユダヤ人 51
第三章 神の敵、植民主義の尖兵
スペイン、ポルトガルのマラーノと
ユダヤ人 107
第四章 神の敵か女王の友か
スペイン、イングランドの覇権争いと
ロペス処刑事件 167
第五章 リベラリズムと植民主義の友
オランダ共和国のマラーノと
ユダヤ人 223
結 論 281
注
索引
第一章 カエサルの友ユダヤ人
ヘレニズムとローマ帝国の
影の下で 1
第二章 カエサルの奴隷、神の敵、儀式殺人者
中世イングランドのユダヤ人 51
第三章 神の敵、植民主義の尖兵
スペイン、ポルトガルのマラーノと
ユダヤ人 107
第四章 神の敵か女王の友か
スペイン、イングランドの覇権争いと
ロペス処刑事件 167
第五章 リベラリズムと植民主義の友
オランダ共和国のマラーノと
ユダヤ人 223
結 論 281
注
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