国家と資本の暴力のもと、労働や生存がますます非正規化され、抵抗への努力は冷笑される世界で、文学や批評はまだ可能なのか。自他への憎悪を解体する言葉、未来を変えるための言葉はどこにあるのか。ロスジェネ論壇以来、無能力や弱さ、複合差別と加害の問題に向き合い、新しい協働の道を模索してきた批評家の到達点。『すばる』『ユリイカ』『新潮』などへの掲載文を集めた初の文芸批評集。
杉田 俊介(スギタ シュンスケ)
批評家。『フリーターにとって「自由」とは何か』(人文書院)でデビュー、以後、障害者支援NPOで働きながら文芸評論や労働/貧困問題について著述。現在は執筆活動に専念。すばるクリティーク賞選考委員、雑誌『対抗言論』編集委員。元フリーターズフリー(現在は解散)組合員。著書に『宮崎駿論』(NHK出版)、『非モテの品格』『マジョリティ男性にとってまっとうさとは何か』(集英社新書)、『ジョジョ論』『戦争と虚構』(作品社)、『安彦良和の戦争と平和』(中公新書ラクレ)、『ドラえもん論』(Pヴァイン)、『無能力批評』『ジャパニメーションの成熟と喪失』(大月書店)、『橋川文三とその浪曼』(河出書房新社)ほか。
※上記内容は本書刊行時のものです。まえがき
Ⅰ 政治について
ロスジェネの水子たち 批評と運動の間
星野智幸と「新しい政治小説」
浅尾大輔論
高橋和巳論
大西巨人に対する一つの小さな疑念
椎名林檎論のためのノート
光永惇『寛解の連続』に寄せて 喰うべき詩
木村文洋『息衝く』に寄せて 報告と感想
葉真中顕論
加藤智大の暴力
Ⅱ 神について
『カラマーゾフの兄弟』と現代日本 老い衰えゆく神の信徒として
スティーヴン・キングと神
白石晃士と神的映画
岩明均論のためのノート
高畑勲論 淋しさについて
宇多田ヒカルのパッション
安彦良和の原点 どこまでも、無名の青年のように新しく
老いぼれた親鸞と、猫たちと、吉本隆明と、妄想のホトトギスと
土本典昭にとって晩熟とは何か
室井光広論その門前の序文 世界文学とは何か
埴谷雄高論 『死霊』と〈子ども〉
Ⅲ 文学について
筒井康隆論 文学は差別と戦えるか
津島佑子論 いかに兄を障害児として産み直すか
角田光代論 ふたりで生きる
村田沙耶香と多和田葉子(序説) 惑星的なリブのために
羽田圭介論 ルーチンワークの文学
坂口恭平の二律背反
法月綸太郎論 迷い猫の脱構築のために
江藤淳『成熟と喪失』についての短いノート
柄谷行人論・序説
東浩紀『弱いつながり』文庫版解説 観光者にとって倫理とは何か
中上健次と空族の映画
村上春樹と歴史意識 『騎士団長殺し』論
文芸批評2020
秋山駿の小石
上村亮平の微光
Ⅳ 書評集+bonustracks
大澤信亮『神的批評』
中島岳志『秋葉原事件』
藤田直哉『虚構内存在』
大澤信亮『新世紀神曲』
中島岳志『血盟団事件』
星野智幸『夜は終わらない』
山城むつみ『小林秀雄とその戦争の時』
九龍ジョー『メモリースティック』
上田岳弘『私の恋人』
高橋弘希『朝顔の日』
木村友祐『野良ビトたちの燃え上がる肖像』
栗原康『死してなお踊れ 一遍上人伝』
宮内悠介『あとは野となれ大和撫子』
上田岳弘『塔と重力』
安藤礼二『大拙』
井口時男『蓮田善明 戦争と文学』
木村友祐『幼な子の聖戦』
宮崎駿『風の谷のナウシカ』
宮嶋繁明『橋川文三 野戦攻城の思想』
温又柔+木村友祐『私とあなたのあいだ』
飯田有子『林檎貫通式』
丸山正樹『ワンダフル・ライフ』
桜庭一樹『小説火の鳥大地編』
亀山郁夫『ドストエフスキー 黒の言葉』
道東旅行記──アイヌのこと、少しずつ
Ⅰ 政治について
ロスジェネの水子たち 批評と運動の間
星野智幸と「新しい政治小説」
浅尾大輔論
高橋和巳論
大西巨人に対する一つの小さな疑念
椎名林檎論のためのノート
光永惇『寛解の連続』に寄せて 喰うべき詩
木村文洋『息衝く』に寄せて 報告と感想
葉真中顕論
加藤智大の暴力
Ⅱ 神について
『カラマーゾフの兄弟』と現代日本 老い衰えゆく神の信徒として
スティーヴン・キングと神
白石晃士と神的映画
岩明均論のためのノート
高畑勲論 淋しさについて
宇多田ヒカルのパッション
安彦良和の原点 どこまでも、無名の青年のように新しく
老いぼれた親鸞と、猫たちと、吉本隆明と、妄想のホトトギスと
土本典昭にとって晩熟とは何か
室井光広論その門前の序文 世界文学とは何か
埴谷雄高論 『死霊』と〈子ども〉
Ⅲ 文学について
筒井康隆論 文学は差別と戦えるか
津島佑子論 いかに兄を障害児として産み直すか
角田光代論 ふたりで生きる
村田沙耶香と多和田葉子(序説) 惑星的なリブのために
羽田圭介論 ルーチンワークの文学
坂口恭平の二律背反
法月綸太郎論 迷い猫の脱構築のために
江藤淳『成熟と喪失』についての短いノート
柄谷行人論・序説
東浩紀『弱いつながり』文庫版解説 観光者にとって倫理とは何か
中上健次と空族の映画
村上春樹と歴史意識 『騎士団長殺し』論
文芸批評2020
秋山駿の小石
上村亮平の微光
Ⅳ 書評集+bonustracks
大澤信亮『神的批評』
中島岳志『秋葉原事件』
藤田直哉『虚構内存在』
大澤信亮『新世紀神曲』
中島岳志『血盟団事件』
星野智幸『夜は終わらない』
山城むつみ『小林秀雄とその戦争の時』
九龍ジョー『メモリースティック』
上田岳弘『私の恋人』
高橋弘希『朝顔の日』
木村友祐『野良ビトたちの燃え上がる肖像』
栗原康『死してなお踊れ 一遍上人伝』
宮内悠介『あとは野となれ大和撫子』
上田岳弘『塔と重力』
安藤礼二『大拙』
井口時男『蓮田善明 戦争と文学』
木村友祐『幼な子の聖戦』
宮崎駿『風の谷のナウシカ』
宮嶋繁明『橋川文三 野戦攻城の思想』
温又柔+木村友祐『私とあなたのあいだ』
飯田有子『林檎貫通式』
丸山正樹『ワンダフル・ライフ』
桜庭一樹『小説火の鳥大地編』
亀山郁夫『ドストエフスキー 黒の言葉』
道東旅行記──アイヌのこと、少しずつ
『神と革命の文芸批評』まえがき+目次PDF
*上記から、本書のまえがきと目次のページをお読みいただけます。
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