サン=ジョン・ペルスと中国
〈アジアからの手紙〉と『遠征』

四六判 / 496ページ / 上製 / 定価:4,600円 + 税 
ISBN978-4-588-49038-5 C1098 [2020年10月 刊行]

内容紹介

1887年仏領グアドループに生まれ、1910年代にはフランス本国の外交官として中国に赴任、長編詩『遠征』が国際的に激賞されるもまもなく詩作を封印し、第二次大戦前にはミュンヘン会談に臨席。戦後にノーベル賞を受賞、近代カリブ海文学の父とみなされたこの詩人の生涯はしかし、ある特異な自己神話化に彩られていた。とくに中国時代の手紙や初期詩篇を紹介し、詩人の全容を初めて浮き彫りにする労作。

著訳者プロフィール

恒川 邦夫(ツネカワ クニオ)

1943年生まれ。東京大学博士課程中退。ソルボンヌ(パリ第3)大学文学博士。一橋大学名誉教授。華中師範大学(中国湖北省、武漢市)客員教授。ポール・ヴァレリー、仏語表現アフリカ文学、カリブ海のクレオール語文学の研究者。主な著訳書に『ポール・ヴァレリー集成』(全6巻の企画・監修および第1巻と第6巻前半部の翻訳、筑摩書房、2011–2012年)、『精神の危機 他十五篇』(岩波文庫、2010年)、『《クレオール》な詩人たち Ⅰ・Ⅱ』(思潮社、2012/2018)、『フランケチエンヌ──クレオールの挑戦』(現代企画室、1999年)、『レオポール・セダール・サンゴール詩集』(共訳、日本セネガル友好協会編、1979年)など。その他日本語、仏語の雑誌論文多数。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序章 亡命

 外務次官アレクシ・レジェの失脚
 亡命
 〈アメリカの友人〉
 一九四〇─四四年
 一九四五─四六年
 一九四七─五〇年

第二章 〈アジアからの手紙〉──中国時代のアレクシ・レジェ

赴任直後の手紙
 フィリップ・ベルトロ宛
 アレクサンドル・コンティ宛
 ビュシエール医師宛
 ポール・ヴァレリー宛
 ジュール・ダムール宛
 余談

母への手紙(一九一七─一九二一)
 余談

帰国直前の手紙
 ジョゼフ・コンラッド宛
 あるヨーロッパの夫人宛
 ギュスターヴ=アルフレッド・モノ宛
 ジャック・リヴィエール宛
 アンドレ・ジッド宛
 ギュスターヴ=シャルル・トゥッサン宛

第三章 『遠征』

 解題
 序歌
 Ⅰ〜Ⅹ
 終歌
 『遠征』読解の手引き
 余談

附録Ⅰ(中期詩篇)
『王達の栄光』
 ある女王を讃える朗唱
 王子の友情
 摂政の物語
 推定相続人の歌
 子守歌

第四章 サン=ジョン・ペルスの〈中国〉

 詩人ペルスの〈反撃〉
 クローデルの磁場
 クローデルの中国
 セガレンの中国
 ペルスの中国
 余談

終 章 サン=ジョン・ペルスの現在

附録Ⅱ(初期詩篇)
『讃』
 門の上に書かれた言葉
 ロビンソン・クルーソー幻影
 鐘
 壁
 市
 フライデイ
 鸚 鵡
 山羊皮のパラソル
 弓
 種子
 書物
 ある幼年時代を祝って
 讃

エピローグ サン=ジョン・ペルスの墓

あとがき
参考文献
人名索引