ディア・ミス・ウィーヴァー
ハリエット・ショー・ウィーヴァー伝 一八七六─一九六一

A5判 / 636ページ / 上製 / 価格 8,580円 (消費税 780円) 
ISBN978-4-588-49517-5 C0098 [2020年12月 刊行]

内容紹介

フェミニズム批評誌『フリーウーマン』およびモダニズム文芸誌『エゴイスト』の誌面より、ジェイムズ・ジョイス、T・S・エリオット、エズラ・パウンドら若き天才たちの作品を世に送り出した女性出版社主・編集者にして社会運動家、ハリエット・ウィーヴァーの評伝。ジョイスの創作を物心両面で支え、文学史に屹立する大作『若い芸術家の肖像』『ユリシーズ』の刊行に尽力した信念の人の生涯をたどる。

著訳者プロフィール

ジェイン・リダデール(リダデール ジェイン)

(Jane Lidderdale)
1909年、ロンドン郊外ハンプステッドの敬虔なプロテスタントの家庭に生まれる。1934年、オクスフォード大学を「哲学・政治学・経済学(PPE)」の優等卒業学位を得て卒業。40年、海運省に入省。以後、公務員として各種政府機関に勤務。行政能力、組織力を発揮、目覚ましい業績により、1952年に「大英帝国勲章」を受章した。退官後、福祉事業に携わり、高齢者施設を建設・運営した。1996年に死去。

メアリー・ニコルソン(ニコルソン メアリー)

(Mary Nicholson)
イギリスの小説家。1908年、イングランド南西部ブリストルに生まれる。旧姓クローフォード。1926年、ロンドン・パトニー高校卒業。1932年、L・E・マーティンの筆名で処女小説『現世の人々』を出版。1932年、マックス・ニコルソンと結婚。34年、長男ピアズ、38年、次男トムを出産。各種の企業で働きながら、『笑い、それとも涙』『バラの花は赤い』等、30編を超える小説を執筆する。64年に離婚。1995年、ロンドン・チェルシーで死去。

宮田 恭子(ミヤタ キョウコ)

1934年、石川県に生まれる。東京大学教養学部教養学科イギリス分科を経て、1969年、同大学院比較文化比較文学修士課程修了。元玉川大学教授。1964年、「アイリス・マードック『鐘』試論」によりシェイクスピア賞受賞。著書:『ジョイス研究』、『ジョイスの都市』(以上、小沢書店)、『ウルフの部屋』、『ジョイスのパリ時代』、『ジョイスと中世文化』、『ルチア・ジョイスを求めて』(以上、みすず書房)、『ジョイスとめぐるオペラ劇場』(水声社)。訳書:S・ジョイス『兄の番人』、エルマン『ジェイムズ・ジョイス伝』、ウルフ『ロジャー・フライ伝』、スポールディング『ヴァネッサ・ベル』、オコナー編著『われらのジョイス』(以上、みすず書房)、ジョイス『抄訳 フィネガンズ・ウェイク』(集英社)、マッコート『ブルームの歳月』(水声社)。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第一部 一八七六年~一九一二年
 第一章 少女時代
 第二章 社会活動

第二部 一九一二年~一九二四年
 第三章 「自由の精神」
 第四章 『ニュー・フリーウーマン』
 第五章 『エゴイスト』の編集者
 第六章 『肖像』の出版
 第七章 出版業の継続
 第八章 編集者それとも出版者?
 第九章 嵐の岬
 第十章 ミス・ウィーヴァーの『ユリシーズ』
 第十一章 事業の終了

第三部 一九二四年~一九四一年
 第十二章 セルダム・シーン
 第十三章 空間と時間
 第十四章 友情の暗い側面
 第十五章 レオン氏からの至急便
 第十六章 「人食い鬼がやって来る」
 第十七章 同志ジョゼフィーン

第四部 一九四一年~一九六一年
 第十八章 オクスフォード
 第十九章 聖ルカ日和
 第二十章 カースル・エンド

訳者あとがき
口絵図版一覧
補遺 出所
補遺 『ニュー・フリーウーマン』『エゴイスト』および「エゴイスト・プレス」の財政の履歴
事項索引
人名索引