アメリカによる戦争は世界秩序の形成にいかなる影響を及ぼしたのか。また、アメリカ経済や社会にどのような影響をもたらし、多民族国家におけるアイデンティティ形成や国民統合にどのような意味をもったのか。本書は、海外の執筆者をまじえ、戦争とアメリカ社会および国際社会のダイナミックな相互関係、アメリカの世界秩序形成が生み出す諸問題等を複眼的かつ歴史的に論じる。
序 章 アメリカ外交の伝統とアメリカの戦争 菅 英輝
一 はじめに
二 戦争は外交の延長である
三 アメリカ人の使命感とアメリカ例外主義の観念
四 アメリカの権益擁護と「唯一の超大国」意識
五 アメリカ式戦争の特徴
第Ⅰ部 アメリカの戦争と国際社会
第1章 アメリカ帝国主義論の新展開 初瀬 龍平
一 はじめに
二 帝国主義に関する基本的視点
三 アメリカ帝国論
四 アメリカ帝国主義論
五 おわりに
第2章 アメリカの戦争のやり方 ブルース・カミングス
米墨戦争(一八四六年)からイラク戦争(二〇〇三年)まで
一 はじめに
二 米墨戦争と「明白な命運」
三 新しい大陸国家の誕生
四 パール・ハーバーからイラク戦争へ
五 おわりに
第3章 ローズヴェルト系論の対外政策 中嶋 啓雄
カリブ地域における軍事介入
一 はじめに――ブッシュ(ジュニア)外交との比較
二 米西戦争と「棍棒外交」
三 タフト、ウィルソン両政権による介人
四 カリブ地域からの“出口戦略”と介人の負の遺産
五 おわりに――今日のアメリカ外交へのインプリケーション
第4章 湾岸戦争からイラク戦争へ 菅 英輝
一 はじめに
二 ポスト冷戦の世界とアメリカ外交の使命
三 ブッシュ(シニア)の戦争と「新世界秩序」建設の夢
四 アメリカ例外主義の伝統とブツシュ・ドクトリン
五 おわりに――他者理解の欠如とアメリカ例外主義の克服
第5章 UNHCRとアメリカ 柄谷利恵子
国際的難民保護レジー厶とアメリカの外交戦略
一 はじめに
二 UNHCRの予算体系
三 UNHCR創設とアメリカ政府の対応――無視・敵対(第一期)
四 UNHCRとアメリカ政府の攻防――ブログラ厶別予算調達制度(第二期)
五 アメリカ政府による選択的積極利用――統合年次予算調達期(第三期)
六 おわりに――支配・影響・利用・無視
第Ⅱ部アメリカの戦争とアメリカ社会
第6章 正しい戦争と不正な戦争 アンドリュー・ロッタ―
アメリカの戦争を大学一般教養の場で教えるということ
一 はじめに
二 コールゲート大学のゼミナール
三 開戦法規と交戦法規
四 アメリカの戦争と学生たちによる議論の展開過程
五 アメリカの戦争と五つの症候群
六 おわりに
第7章 アメリカ市民社会と戦争 大津留(北川)智恵子
一 はじめに
ニ 動員されるアメリカ市民社会
三 異議申し立てをおこなう市民社会
四 安全なアメリカと危険な世界
五 おわりに
第8章 「アメリカの戦争」における道徳的文法の系譜 土佐 弘之
表象としての映画を中心に
一 はじめに
ニ エルシュティンの正戦論に見られる揺れ
三 「アメリカの戦争」をめぐる道徳的文法の揺らぎ――正戦-厭戦-反戦の振幅
四 もうひとつの正戦論――「良い暴力による再生」という神話の復活
五 おわりに
第9章 イラク戦争とメディアの敗北 野村 彰男
アメリカの戦争とジャーナリズム
一 はじめに
二 テレビ時代と「見えない戦争」――湾岸戦争
三 「九・ーー」とメディア――「愛国心」という呪縛
四 「新しい戦争」としてのアフガニスタン攻撃
五 「大義なき戦争」と従軍報道
六 おわりに
第10章 戦争の経済コスト 秋元 英一
比較史的考察
一 はじめに
二 帝国のコスト
三 第二次世界大戦と戦時動員体制
四 イラク戦争の経済コスト
五 おわりに
第11章 アメリカ独立戦争とワシントン神話の形成 油井大三郎
一 はじめに
二 独立戦争の始まり
三 初期の孤立した戦い
四 フランスとスペインの参戦
五 おわりに
第12章 戦争の克服と「和解・共生」 藤本 博
ヴェトナム帰還米兵による「ミライ平和公園プロジェクト」再論
一 はじめに
二 ヴェトナム帰還米兵ベイムによる「他者」へのまなざしの獲得
三 「和解・共生」にもとづく平和的関係の構築
四 「和解・共生」にもとつく「平和創造」の普遍的試み
――「ソンミ」と「ヒロシマ・ナガサキ」
五 「ミライ平和公園プロジェクト」の意義とその歴史的意味
六 おわりに
あとがき
人名・事項索引
一 はじめに
二 戦争は外交の延長である
三 アメリカ人の使命感とアメリカ例外主義の観念
四 アメリカの権益擁護と「唯一の超大国」意識
五 アメリカ式戦争の特徴
第Ⅰ部 アメリカの戦争と国際社会
第1章 アメリカ帝国主義論の新展開 初瀬 龍平
一 はじめに
二 帝国主義に関する基本的視点
三 アメリカ帝国論
四 アメリカ帝国主義論
五 おわりに
第2章 アメリカの戦争のやり方 ブルース・カミングス
米墨戦争(一八四六年)からイラク戦争(二〇〇三年)まで
一 はじめに
二 米墨戦争と「明白な命運」
三 新しい大陸国家の誕生
四 パール・ハーバーからイラク戦争へ
五 おわりに
第3章 ローズヴェルト系論の対外政策 中嶋 啓雄
カリブ地域における軍事介入
一 はじめに――ブッシュ(ジュニア)外交との比較
二 米西戦争と「棍棒外交」
三 タフト、ウィルソン両政権による介人
四 カリブ地域からの“出口戦略”と介人の負の遺産
五 おわりに――今日のアメリカ外交へのインプリケーション
第4章 湾岸戦争からイラク戦争へ 菅 英輝
一 はじめに
二 ポスト冷戦の世界とアメリカ外交の使命
三 ブッシュ(シニア)の戦争と「新世界秩序」建設の夢
四 アメリカ例外主義の伝統とブツシュ・ドクトリン
五 おわりに――他者理解の欠如とアメリカ例外主義の克服
第5章 UNHCRとアメリカ 柄谷利恵子
国際的難民保護レジー厶とアメリカの外交戦略
一 はじめに
二 UNHCRの予算体系
三 UNHCR創設とアメリカ政府の対応――無視・敵対(第一期)
四 UNHCRとアメリカ政府の攻防――ブログラ厶別予算調達制度(第二期)
五 アメリカ政府による選択的積極利用――統合年次予算調達期(第三期)
六 おわりに――支配・影響・利用・無視
第Ⅱ部アメリカの戦争とアメリカ社会
第6章 正しい戦争と不正な戦争 アンドリュー・ロッタ―
アメリカの戦争を大学一般教養の場で教えるということ
一 はじめに
二 コールゲート大学のゼミナール
三 開戦法規と交戦法規
四 アメリカの戦争と学生たちによる議論の展開過程
五 アメリカの戦争と五つの症候群
六 おわりに
第7章 アメリカ市民社会と戦争 大津留(北川)智恵子
一 はじめに
ニ 動員されるアメリカ市民社会
三 異議申し立てをおこなう市民社会
四 安全なアメリカと危険な世界
五 おわりに
第8章 「アメリカの戦争」における道徳的文法の系譜 土佐 弘之
表象としての映画を中心に
一 はじめに
ニ エルシュティンの正戦論に見られる揺れ
三 「アメリカの戦争」をめぐる道徳的文法の揺らぎ――正戦-厭戦-反戦の振幅
四 もうひとつの正戦論――「良い暴力による再生」という神話の復活
五 おわりに
第9章 イラク戦争とメディアの敗北 野村 彰男
アメリカの戦争とジャーナリズム
一 はじめに
二 テレビ時代と「見えない戦争」――湾岸戦争
三 「九・ーー」とメディア――「愛国心」という呪縛
四 「新しい戦争」としてのアフガニスタン攻撃
五 「大義なき戦争」と従軍報道
六 おわりに
第10章 戦争の経済コスト 秋元 英一
比較史的考察
一 はじめに
二 帝国のコスト
三 第二次世界大戦と戦時動員体制
四 イラク戦争の経済コスト
五 おわりに
第11章 アメリカ独立戦争とワシントン神話の形成 油井大三郎
一 はじめに
二 独立戦争の始まり
三 初期の孤立した戦い
四 フランスとスペインの参戦
五 おわりに
第12章 戦争の克服と「和解・共生」 藤本 博
ヴェトナム帰還米兵による「ミライ平和公園プロジェクト」再論
一 はじめに
二 ヴェトナム帰還米兵ベイムによる「他者」へのまなざしの獲得
三 「和解・共生」にもとづく平和的関係の構築
四 「和解・共生」にもとつく「平和創造」の普遍的試み
――「ソンミ」と「ヒロシマ・ナガサキ」
五 「ミライ平和公園プロジェクト」の意義とその歴史的意味
六 おわりに
あとがき
人名・事項索引