サピエンティア 15
グローバリゼーション
人間への影響

四六判 / 204ページ / 上製 / 価格 2,860円 (消費税 260円) 
ISBN978-4-588-60315-0 C3330 [2010年11月 刊行]

内容紹介

グローバル化によって軍事、経済、文化という主権の三脚を喪失した国家は断片化し、ローカルな無秩序を促す。そして、その無秩序がさらにグローバル化を進めるという循環が生まれ、誰もが行き場のない《放浪者》へと転落する恐怖に怯えることになる。本書は、移動をキーワードに、グローバル化が世界および人間生活の分極化と再階層化をもたらし、公共空間を消失させていくさまを描く。【政治・社会学】

目次

序  論

第1章 時間と階級
    第二の不在地主
    移動の自由と社会の自己構成
    新しい速度、新しい分極化
第2章 空間の戦争――経過報告(キャリア・レポート)
    地図をめぐる戦い
    空問の地図化から地図の空間化へ
    集会恐怖症(アゴラフォビア)と地域の復興(ルネサンス)
    パノブティコン後の生活はあるのか?
第3章 国民国家の後に-なにが?
    普遍化しているのか-それともグローバル化されているのか?
    新しい収用-こんどは、国家から
    可動性のグローバルなヒエラルキー
第4章 旅行者と放浪者
    消費社会で消費者であること
    移動する私たちの分断
    世界を動くこと 対 世界が動くこと
    健やかなるときも病めるときも-つねに共に
第5章 グローバルな法、ローカルな秩序
    不可動性の工場
    ポスト矯正時代の刑務所
    安全性――わかりにくい目的のためのわかりやすい手段
    秩序の外側
 註  記
 訳者あとがき
 索  引

関連書籍

Z・バウマン『コミュニティ』(奥井智之訳、筑摩書房、2008年)、T・フリードマン『フラット化する世界』(伏見威蕃訳、日本経済新聞社、2006年)