『タイム』誌を代表するジャーナリストが,アウシュヴィッツ,ヒロシマから9・11,さらには少年犯罪や心の内なる悪までを考察し分析しつつ未来への希望をも語る。
L.モロー(モロー,L.)
1939年フィラデルフィアに生まれる.ワシントンを中心に活動していたジャーナリストの両親とともに同地に移って幼少期を過ごす.ハーヴァード大学で英文学を専攻し,1963年に優等で卒業.1965年『タイム』誌に入社し,以来150編余のカバーストーリーを執筆した.1976年に同社論説委員となり,政治,文化から国際情勢にわたる数百編の「タイム・エッセイ」に健筆を振るう.1981年には論説・批評部門で〈全米雑誌賞〉を受賞している.1996年ボストン大学に特待教授として招聘され,合衆国大統領論やエッセイ・ライティングなどを担当する傍ら,『タイム』誌には契約エッセイストとして寄稿し続けている.本書の他,『1948年当時のケネディー,ジョンソン,ニクソン──権力の秘密をどう覚えたか』など5冊の著書がある.
河野 徹(コウノテツ)
1931年に生まれる.東京大学教養学科イギリス科卒業.同大学院英文学修士課程修了.現在,法政大学名誉教授.著書に『英米文学のなかのユダヤ人』(みすず書房)がある.また,David S. Wyman, ed., The World Reacts to the Holocaust, The Johns Hopkins University Press, 1996に “Japan after the Holocaust”を寄稿.訳書に,フィッシャー『芸術はなぜ必要か』,クラーク『芸術と文明』(以上,法政大学出版局),『コリン・ウィルソン音楽を語る』(冨山房),タイガー/フォックス『帝王的動物』(思索社),クレイバラー『グロテスクの系譜』(共訳,法政大学出版局),『オーウェル著作集』Ⅲ,Ⅳ(共訳,平凡社),その他がある.
※上記内容は本書刊行時のものです。序 章 1
1 悪のグローバル化 18
2 ユーモアと縁続き 25
3 世界をへめぐる暗流 31
4 なぜ悪は行われるのか 41
5 隠者の話 47
6 破局を通じての教育 54
7 悪の枢軸 58
8 サラエボ──目には目を、歯には歯を、の掟 67
9 ライフル銃兵のディレンマ 90
10 ウェンディーズ事件の殺人犯はジャン・ヴァルジャンか 110
11 脳に侵入した蛮族 117
12 宇宙空間に斧を浮かべたら 124
13 子どもが悪とどうかかわるというのか 139
14 ゴネリルとリーガンの勝利 153
15 汝もまた (Tu Quoque) 163
16 郵便受けのなかのがらがら蛇 176
17 許容される悪 182
18 みずから選んだ政権について責任を負うこと 191
19 職場での悪意 198
20 文学の慰め 203
21 われわれと彼ら 213
22 顔にひそむ秘密 218
23 怪物どものリゾート 226
24 サド、コバーンと悪の愉しみ 242
25 食道楽とサルの脳 252
26 沈黙の限界 263
27 目的論的証明 275
28 どの悪も、物語である 280
29 『わが闘争』の教訓 286
30 ナクトウェイがみたもの 292
31 なぜ浄化を求めるか 297
32 キツネ勢の意気消沈 305
33 チェルニアコフの選択 310
34 希 望 315
訳者あとがき 325
索 引 巻末(1)
1 悪のグローバル化 18
2 ユーモアと縁続き 25
3 世界をへめぐる暗流 31
4 なぜ悪は行われるのか 41
5 隠者の話 47
6 破局を通じての教育 54
7 悪の枢軸 58
8 サラエボ──目には目を、歯には歯を、の掟 67
9 ライフル銃兵のディレンマ 90
10 ウェンディーズ事件の殺人犯はジャン・ヴァルジャンか 110
11 脳に侵入した蛮族 117
12 宇宙空間に斧を浮かべたら 124
13 子どもが悪とどうかかわるというのか 139
14 ゴネリルとリーガンの勝利 153
15 汝もまた (Tu Quoque) 163
16 郵便受けのなかのがらがら蛇 176
17 許容される悪 182
18 みずから選んだ政権について責任を負うこと 191
19 職場での悪意 198
20 文学の慰め 203
21 われわれと彼ら 213
22 顔にひそむ秘密 218
23 怪物どものリゾート 226
24 サド、コバーンと悪の愉しみ 242
25 食道楽とサルの脳 252
26 沈黙の限界 263
27 目的論的証明 275
28 どの悪も、物語である 280
29 『わが闘争』の教訓 286
30 ナクトウェイがみたもの 292
31 なぜ浄化を求めるか 297
32 キツネ勢の意気消沈 305
33 チェルニアコフの選択 310
34 希 望 315
訳者あとがき 325
索 引 巻末(1)