民主主義の問題
帝国主義との闘いに勝つこと

四六判 / 298ページ / 上製 / 価格 3,850円 (消費税 350円) 
ISBN978-4-588-62209-0 C3030 [2014年02月 刊行]

内容紹介

9.11の同時多発テロ事件以降、アメリカにおいて民主主義が、自由市場原理主義、攻撃的軍事攻勢、権威主義などによって危機に陥っている。本書は、デューイやローティといったプラグマティズムの系譜に連なる、神学者、哲学者、公民権活動家、そしてアーティストでもあるアフリカ系アメリカ知識人が、その危機の是正に何が必要なのかを、鋭い現状分析から「声を大にして」問いかける。

著訳者プロフィール

コーネル・ウェスト(ウェスト,C.)

(Cornel West)
1953年生まれ。アメリカ・オクラホマ州出身。17歳でハーヴァード大学に進学、R. ノージック、S. カベルに師事し、卒業後、プリンストン大学大学院で博士号を取得。プリンストン大学時代にはR. ローティのプラグマティズム思想に強い影響を受けた。
ハーヴァード大学、プリンストン大学の教授を歴任し、現在ニューヨークにあるユニオン神学セミナリー教授。アメリカにおける人種問題を歴史学的分析を用いて論じ、また政治活動を活発に行なっていることでも知られる。専門は哲学・政治思想。
著書として『アメリカにおける哲学の回避』(The American Evasion of Philosophy: A Genealogy of Pragmatism, Madison, 1989)、『人種の問題』(Race Matters, Boston, 1993; 山下慶親訳、新教出版社、2008年)、『ブラザー・ウェスト──声を大にして生き、そして愛する』(Brother West: Living and Loving Out Loud, New York, 2009)ほか多数。

越智 博美(オチ ヒロミ)

一橋大学教授。専門はアメリカ文学・文化。
著書に『モダニズムの南部的瞬間──アメリカ南部詩人と冷戦』(研究社、2012年)、編著に『ジェンダーから世界を読むII──表象されるアイデンティティ』(明石書店、2008年)、共著に『文学研究のマニフェスト──ポスト理論・歴史主義の英米文学批評入門』(研究社、2012年)など。

松井 優子(マツイ ユウコ)

青山学院大学教授。専門はイギリス文学・文化。
著書に『スコット──人と文学』(勉誠出版、2008年)、共訳書にR. ウィリアムズ著『完訳キーワード辞典』(平凡社、2002年)、G. ビア著『ダーウィンの衝撃──文学における進化論』(工作舎、1998年)など。

三浦 玲一(ミウラ レイイチ)

2013年10月、逝去。一橋大学教授。専門はアメリカ文学、ポストモダニズム。
著書に『ポストモダン・バーセルミ ──「小説」というものの魔法について 』(彩流社、2005年)、編著に『ジェンダーと自由──理論、リベラリズム、クィア』(彩流社、2013年)、『文学研究のマニフェスト──ポスト理論・歴史主義の英米文学批評入門』(研究社、2012年)など。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第1章 民主主義は恐ろしい状況に陥っている

第2章 アメリカにおけるニヒリズム

第3章 アメリカにおける民主主義の豊かな伝統

第4章 民主主義的なユダヤとイスラムのアイデンティティを形成すること

第5章 アメリカにおけるキリスト教アイデンティティの危機

第6章 若者文化に関与することの必要性

第7章 民主主義という鎧を身につけること

 謝辞
 転載許可
 訳註
 訳者あとがき
 索引

書評掲載

「出版ニュース」(2014年4月上旬号)に紹介されました。

「キリスト教文化」(2014年春号)に紹介されました。