叢書・ウニベルシタス 778
文化の場所 〈新装版〉
ポストコロニアリズムの位相
ISBN978-4-588-09959-5 C1322 [2012年09月 刊行]
H.K.バーバ(バーバ ホミ)
(Homi K. Bhabha)
1949年インド・ボンベイ生まれ。ボンベイ大学卒業後、オクスフォード大学にて英文学の博士号を取得。イギリス・サセックス大学で教鞭をとった後、アメリカ合衆国にわたり、プリンストン大学、シカゴ大学を経て、現在はハーヴァード大学教授。編著にNation and Narration(Routledge,1990)があり論文も多いが、単著として出版されたものはいまだ本訳書の原本であるThe Location of Cultureのみである。2002年に初来日、京都の立命館大学国際言語文化研究所で講演を行った。
本橋 哲也(モトハシ テツヤ)
1955年に生まれる。英国ヨーク大学大学院にて英文学博士号(D. Phil.)取得。東京都立大学人文学部助教授を経て、現在、東京経済大学コミュニケーション学部教授。著書に『カルチュラル・スタディーズへの招待』(大修館書店)、『深読みミュージカル』(青土社)、『ポストコロニアリズム』(岩波新書)、訳書にジュディス・バトラー『生のあやうさ』(以文社)などがある。
正木 恒夫(マサキ ツネオ)
1934年に生まれる。1957年、大阪外国語大学英語学科卒業。2000年3月まで、大阪外国語大学地域文化学科教授。著書に『植民地幻想──イギリス文学と非ヨーロッパ』(みすず書房)、訳書にA. グリン『イギリス人』(研究社)、P. ヒューム『征服の修辞学』(共訳、法政大学出版局)がある。2015年逝去。
外岡 尚美(トノオカ ナオミ)
青山学院大学文学部英米文学科教授。ハワイ大学大学院演劇学Ph. D. アメリカ演劇専攻。共編著に『多文化主義で読む英米文学』、『境界を越えるアメリカ演劇』、『概説アメリカ文化史』(すべてミネルヴァ書房)他、訳書にイヴ・セジウィック『クローゼットの認識論』(青土社)、他がある。
阪元 留美(サカモト ルミ)
1966年神奈川県に生まれる。英国のエセックス大学社会学部でPh. D. を取得。現在ニュージーランドのオークランド大学アジア研究学部講師。論文に‘Dream of a Modern Subject: Maruyama Masao,Fukuzawa Yukichi,and “Asia” as the Limit of Ideology Critique,’Japanese Studies, Vol.21, No.2, 2001, ‘Race-ing Japan,’ in Roy Starrs ed., Japanese Cultural Nationalism(Global Oriental), 2004などがある。
※上記内容は本書刊行時のものです。序章 文化の場所
第一章 理論へのこだわり
第二章 アイデンティティを問う
──フランツ・ファノンとポストコロニアルの特権
第三章 他者の問題
──ステレオタイプ・差別・植民地主義言説
第四章 擬態と人間について
──植民地言説のアンビヴァレンス
第五章 ずらされた礼節/こずるい市民たち
第六章 まじないになった記号
アンビヴァレンスと権威について── 一八一七年五月、デリー郊外の木陰にて
第七章 古層の表現
──文化的差異と植民地的無意味
第八章 国民の散種
──時間、語り、近代国民国家の周縁
第九章 ポストコロニアルとポストモダン
──行為媒体(エージェンシー)の問題
第一〇章 パンのみにて
── 一九世紀中葉における暴力の記号
第一一章 新しさはいかに世界に登場するか
──ポストモダンの空間、ポストコロニアルな時間、文化翻訳の試練
第一二章 結論
──「人種」、時間、近代の書き直し
訳者あとがき
邦訳文献一覧
原注
索引