戦後ばかりでなく戦前の数多くの映画作品を自由に踏査しながら、「運動イメージ」の詳細な分析を通して「映画的イメージにおける思考」にいたるドゥルーズの真に創造的な傑作。『シネマ2』にたいしてその必然的な前提である『シネマ1』は、物語的内容を論じる映画論や、たんなる映画史としてではなく、「映画に現れるかぎりでのイメージと記号の分類の試み」の原理を明確に提示する。
ジル・ドゥルーズ(ドゥルーズ ジル)
1925年生まれのフランスの哲学者。69年からパリ第八大学教授。哲学史を独自の仕方で読みかえるとともに、哲学本来のあり方を概念の創造に求め、構造主義以降の思想・芸術・文化に多大な影響を及ぼした。主な著書に、『ベルクソンの哲学』(1966)、『差異と反復』(68)、『スピノザと表現の問題』(68)、『意味の論理学』(69)、『プルーストとシーニュ』(64、70)、『感覚の論理』(81)、『シネマ』(2巻、83、85)、『襞──ライプニッツとバロック』(88)などがある。また精神分析家フェリックス・ガタリとの共著で『アンチ・オイディプス』(73)、『カフカ』(75)、『千のプラトー』(80)、『哲学とは何か』(91)などを刊行。1995年11月4日死去。
財津 理(ザイツ オサム)
1947年生まれ。思想研究家(現在、法政大学教授)。訳書にドゥルーズ『経験論と主体性』、『差異と反復』、『哲学とは何か』などがある。
齋藤 範(サイトウ ススム)
1969年生まれ。中央大学文学部卒業後、パリ第一大学大学院留学を経て、横浜市立大学大学院国際文化研究科博士課程満期退学(哲学専攻)。法政大学、横浜市立大学非常勤講師。主要論文:「『物質と記憶』におけるベルクソン的〈直観〉の潜在性」、「生命と思考──『創造的進化』における認識と生命の不可分性」、「ベルクソンにおける自然と芸術について」ほか。
※上記内容は本書刊行時のものです。第1章 運動に関する諸テーゼ──第一のベルクソン注釈
第2章 フレームとショット、フレーミングとデクパージュ
第3章 モンタージュ
第4章 運動イメージとその三つの種類──第二のベルクソン注釈
第5章 知覚イメージ
第6章 感情イメージ──顔とクロースアップ
第7章 感情イメージ──質、力、任意空間
第8章 情動から行動へ──欲動イメージ
第9章 行動イメージ──大形式
第10章 行動イメージ──小形式
第11章 フィギュール、あるいは諸形式の変換
第12章 行動イメージの危機
用語解説
訳者あとがき
注・索引
第2章 フレームとショット、フレーミングとデクパージュ
第3章 モンタージュ
第4章 運動イメージとその三つの種類──第二のベルクソン注釈
第5章 知覚イメージ
第6章 感情イメージ──顔とクロースアップ
第7章 感情イメージ──質、力、任意空間
第8章 情動から行動へ──欲動イメージ
第9章 行動イメージ──大形式
第10章 行動イメージ──小形式
第11章 フィギュール、あるいは諸形式の変換
第12章 行動イメージの危機
用語解説
訳者あとがき
注・索引
書評掲載
「東京新聞/中日新聞」(2012年7月8日付/雑賀恵子氏・評)に紹介されました。
「週刊読書人」(2015年2月6日号、「蓮實重彦・伊藤洋司対談」記事)に紹介されました。