叢書・ウニベルシタス 941
象徴形式の形而上学
エルンスト・カッシーラー遺稿集 第一巻
ISBN978-4-588-00941-9 C3310 [2010年07月 刊行]
E.カッシーラー(カッシーラー エルンスト)
ドイツの哲学者.1874年に生まれる.ベルリン大学で文学と哲学を学ぶ.マールブルク大学でコーヘンやパウル・ナトルプに学び,新カント派のマールブルク学派の中心的存在のひとりとなる.ベルリン大学の私講師(Privatdozent)を経て,1919年に新設されたハンブルク大学の教授を亡命する1933年まで勤めた.この間,主著『象徴形式の哲学』(1923-1929年)によって,言語,神話,科学など人間の精神的活動を包括する独自の文化哲学の体系を打ち立てた.ナチス政権成立とともにイギリスに移り,オックスフォード大学講師(〜1935年)となる.のちスウェーデンのイェーテボリ大学教授(〜1940年)となるが,ナチス勢力の拡大にともないアメリカ合衆国へ移る.イェール大学(〜1943年)で教えたのちニューヨークのコロンビア大学に移った.1945年,ニューヨークで没.
笠原 賢介(カサハラ ケンスケ)
東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了(倫理学専攻,比較文学・比較文化専攻).
現在,法政大学文学部哲学科教授.
Th. W. アドルノ『本来性という隠語──ドイツ的なイデオロギーについて』(訳書,未來社,1992年),『ノイズとダイアローグの共同体──市民社会の現場から』(共著,筑波大学出版会,2008年)ほか.
森 淑仁(モリ ヨシヒト)
早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学(ドイツ文学専攻).
現在,東北大学名誉教授,日本ゲーテ協会会長.
„Goethe und die mathematische Physik. Zur Tragweite der Cassirerschen Kulturphilosophie“ (In: Cassirer Forschungen 1, Hamburg: Felix Meiner, 1995),『カッシーラー ゲーテ論集』(編訳書,知泉書館,2006年)ほか.
第I章 「精神」と「生」 3
第II章 哲学的人間学の根本問題としての象徴の問題 46
基礎現象について
第I章の構想——問題設定 157
基礎現象について 174
象徴形式 第IV巻
I 序 論 299
II 「精神」と「生」 315
III 最終 - 章 356
付 録
象徴概念——象徴的なものの形而上学 413
注 431
訳者あとがき 449
人名索引 巻末(1)