叢書・ウニベルシタス 975
時間の前で
美術史とイメージのアナクロニズム
四六判 / 352ページ / 上製 / 価格 4,180円 (消費税 380円)
ISBN978-4-588-00975-4 C1310 [2012年06月 刊行]
ISBN978-4-588-00975-4 C1310 [2012年06月 刊行]
ベンヤミン、アインシュタイン、ヴァールブルク……。二十世紀前半、大文字の〈歴史〉の破局のなかで閃光のように出現した知の星座が形づくるイメージ人類学とは何か。連続的時間を解体する歴史の弁証法がかいま見せる「徴候」「モンタージュ」「残存」を注視しつつ、プリニウスの古代からバーネット・ニューマンの現代までを往還し、アナクロニズムとしての美術史を実践する著者の理論的画期作。
ジョルジュ・ディディ=ユベルマン(ディディ=ユベルマン,G.)
(Georges Didi-Huberman)
哲学者、美術史家。1953年6月13日生(サン=テティエンヌ、フランス)。リヨン大学で哲学の学士号を取得した後、美術史の修士号を取得。その後、社会科学高等研究院(E.H.E.S.S.)で博士号を取得。1990年から社会科学高等研究院の助教授。日本語訳として『アウラ・ヒステリカ──パリ精神病院の写真図像集』(リブロポート)、『フラ・アンジェリコ──神秘神学と絵画表現』(平凡社)、『ジャコメッティ──キューブと顔』(PARCO出版)、『ヴィーナスを開く』(白水社)、『残存するイメージ──アビ・ヴァールブルクによる美術史と幽霊たちの時間』(人文書院)、『イメージ、それでもなお──アウシュヴィッツからもぎ取られた四枚の写真』(平凡社)、『イメージの前で──美術史の目的への問い』(法政大学出版局)がある。
小野 康男(オノ ヤスオ)
1953年生まれ。神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了(芸術学専攻)。横浜国立大学教授。共訳書にヒバード『ミケランジェロ』、リオタール『文の抗争』、同『遍歴』、同『異教入門』、フェリー『ホモ・エステティクス』(以上、法政大学出版局)ほか。
三小田 祥久(ミコダ ヨシナガ)
1964年生まれ。神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了(哲学専攻)。ルーヴァン=ラ=ヌーヴ、パリの各大学で文学、哲学・論理学史、美術史を修める。訳書にメディクス『ハプスブルク 記憶と場所──都市観相学の試み』(平凡社)、フェリー『ホモ・エステティクス』(共訳)ほか。
※上記内容は本書刊行時のものです。序論 開け──アナクロニズム的学問としての美術史
イメージの前で──時間の前で
パラドクスと呪われた部分
あらゆる歴史はアナクロニズム的である──モンタージュ
あらゆる歴史はさまざまなアナクロニズムからなる──徴候
アナクロニズムの星座──われわれの時代を前にしての美術史
第一部 アナクロニズムの考古学
第一章 原型‐イメージ 美術史、そして類似の系譜学
美術史はつねに二度始まる
大プリニウス──「類似は死んでいる」
顔の痕跡、法の痕跡
生成による類似と置換による類似
渦巻きとしての起源
第二章 悪意‐イメージ 美術史、そして時間という難問
美術史はつねに再び開始されねばならない
ヴァルター・ベンヤミン──記憶の考古学者にして屑拾い
イメージは残存する──歴史は解体される
モンタージュによる認識
万華鏡と難問──「時間はブレッツェルのような曲線を描く……」
第二部 アナクロニズムの近代性
第三章 闘争‐イメージ 反時代性、危機的経験、近代性
「美術史はあらゆる経験の闘争である……」
歴史の先端におけるカール・アインシュタイン──アナクロニズムの危険性
空間の経験と内的経験──視覚的徴候
「私の語りは体系的でない……」
第四章 アウラ‐イメージ 〈今〉、〈むかし〉、近代について
対象の仮定──「いかなる目も見飽きることのないもの」
時間の仮定──「根源、それは今」
場の仮定──「遠さの出現」
主体の仮定──「私は主語である。私はまた動詞でもある……。」
訳者あとがき
原注
書誌情報
図版目録
人名索引
イメージの前で──時間の前で
パラドクスと呪われた部分
あらゆる歴史はアナクロニズム的である──モンタージュ
あらゆる歴史はさまざまなアナクロニズムからなる──徴候
アナクロニズムの星座──われわれの時代を前にしての美術史
第一部 アナクロニズムの考古学
第一章 原型‐イメージ 美術史、そして類似の系譜学
美術史はつねに二度始まる
大プリニウス──「類似は死んでいる」
顔の痕跡、法の痕跡
生成による類似と置換による類似
渦巻きとしての起源
第二章 悪意‐イメージ 美術史、そして時間という難問
美術史はつねに再び開始されねばならない
ヴァルター・ベンヤミン──記憶の考古学者にして屑拾い
イメージは残存する──歴史は解体される
モンタージュによる認識
万華鏡と難問──「時間はブレッツェルのような曲線を描く……」
第二部 アナクロニズムの近代性
第三章 闘争‐イメージ 反時代性、危機的経験、近代性
「美術史はあらゆる経験の闘争である……」
歴史の先端におけるカール・アインシュタイン──アナクロニズムの危険性
空間の経験と内的経験──視覚的徴候
「私の語りは体系的でない……」
第四章 アウラ‐イメージ 〈今〉、〈むかし〉、近代について
対象の仮定──「いかなる目も見飽きることのないもの」
時間の仮定──「根源、それは今」
場の仮定──「遠さの出現」
主体の仮定──「私は主語である。私はまた動詞でもある……。」
訳者あとがき
原注
書誌情報
図版目録
人名索引
G.ディディ=ユベルマン著/江澤健一郎訳『イメージの前で』