叢書・ウニベルシタス 992
倫理学と対話
道徳的判断をめぐるカントと討議倫理学
ISBN978-4-588-00992-1 C1310 [2013年04月 刊行]
アルブレヒト・ヴェルマー(ヴェルマー,A.)
(Albrecht Wellmer)
1933年生まれ.フランクフルト学派ではハーバーマスとホネットとの中間に位置し,両者の理論を批判的に媒介する.1966年にフランクフルト大学で哲学博士号を取得.66年から70年までフランクフルト大学の哲学講座でハーバーマスの助手を務めた.71年にフランクフルト大学で教授資格を取得.73年から74年までマックス・プランク研究所の研究員を務め,74年にコンスタンツ大学哲学講座正教授に就任.90年にベルリン自由大学美学・解釈学・人文科学講座正教授に転出.2001年に退官し,同大学名誉教授となる.2006年にアドルノ賞を,2011年にアンナ・クリューガー賞を受賞.主な著作に,Methodologie als Erkenntnistheorie (1967), Kritische Gesellschaftstheorie und Positivismus (1969), Praktische Philosophie und Theorie der Gesellschaft (1979), Zur Dialektik von Moderne und Postmoderne (1985), Endspiele (1993), Revolution und Interpretation (1998), Sprachphilosophie (2004), Wie Worte Sinn machen (2007), Versuch über Musik und Sprache (2009) など多数.
加藤 泰史(カトウ ヤスシ)
1956年生まれ.一橋大学大学院社会学研究科教授.哲学・倫理学.主な著作・訳書に,Kant in der Diskussion der Moderne (Gerhard Schönrichと共編著,Suhrkamp Verlag,1996年),「現代社会における『尊厳の毀損』としての貧困─格差・平等・国家へのカント的アプローチ」(日本哲学会編『哲学』第60号,2009年),アクセル・ホネット+ナンシー・フレイザー『再配分か承認か?』(監訳,法政大学出版局,2012年),ゲアハルト・シェーンリッヒ『カントと討議倫理学の問題』(共訳,晃洋書房,2011年),アクセル・ホネット『正義の他者』(共訳,法政大学出版局,2005年).
御子柴 善之(ミコシバ ヨシユキ)
1961年生まれ.早稲田大学文学学術院教授.哲学.主な著作・訳書に,『現代カント研究10 理性への問い』(共編著,晃洋書房,2007年),マティアス・ルッツ=バッハマン/アンドレアス・ニーダーベルガー編著『平和構築の思想─グローバル化の途上で考える』(共同監訳,梓出版社,2011年),カント「コリンズ道徳哲学」(翻訳,『カント全集』20,岩波書店,2002年).
舟場 保之(フナバ ヤスユキ)
1962年生まれ.大阪大学大学院文学研究科准教授.哲学.主な著作・訳書に,『グローバルエシックスを考える』(共編著,梓出版社,2008年),「ジェンダーは哲学の問題とはなりえないのか」(日本哲学会編『哲学』第58号,2007年),マティアス・ルッツ=バッハマン/アンドレアス・ニーダーベルガー編著『平和構築の思想─グローバル化の途上で考える』(共同監訳,梓出版社,2011年).
松本 大理(マツモト ダイリ)
1973年生まれ.山形大学地域教育文化学部講師.哲学・倫理学.主な著作・論文に,「『道徳形而上学の基礎づけ』における実践哲学の限界」(『日本カント研究13』,理想社,2012年),Moralbegründung zwischen Kant und Transzendentalpragmatik(Tectum Verlag, Marburg,2011年),「カントの道徳性の原理における人格と目的の関係」(日本哲学会編『哲学』第55号,2004年).
庄司 信(ショウジ マコト)
1958年生まれ.日本赤十字秋田看護大学非常勤講師.社会哲学・社会学.主な論文・訳書に,「自己形成論序説」(秋田経済法科大学編『経済学部紀要』第28号,1998年), E・J・ホブズボーム『ナショナリズムの歴史と現在』(共訳,大月書店,2001年),アクセル・ホネット『正義の他者』(共訳,法政大学出版局,2005年),ニクラス・ルーマン『エコロジーのコミュニケーション』(単訳,新泉社,2007年).
※上記内容は本書刊行時のものです。序論
第一部 カント倫理学の解明
第一章
第二章
第三章
第四章
第五章
第二部 討議倫理学批判
第六章
第七章
第八章
第九章
第三部 カント倫理学と討議倫理学との媒介の試み
第十章
第十一章
第十二章
付論
まえがき
理性・解放・ユートピアについて──批判的社会理論のコミュニケーション論的基礎づけのために
Ⅰ 革命のモデルあるいは資本主義社会と無階級社会との「連関」モデル
Ⅱ 解放された社会
Ⅲ ポスト合理主義的な理性概念に向けて
Ⅳ 合理性、真理、合意
ヴェルマーとフランクフルト学派二・五世代の意義──監訳者あとがきに代えて
人名索引