叢書・ウニベルシタス 1071
問いと答え
ハイデガーについて
ISBN978-4-588-01071-2 C1310 [2017年11月 刊行]
ギュンター・フィガール(フィガール ギュンター)
(Günter Figal)
1949年生。フライブルク大学教授。ハイデルベルク大学で哲学・独文学を学び、ガダマー、トイニッセン、ヘンリッヒなどの指導を受ける。76年にハイデルベルク大学にてアドルノ論で博士号取得、87年にはハイデガー論で教授資格取得。89年にチュービンゲン大学哲学教授、01年以降はフライブルク大学哲学教授。03年から15年までハイデガー協会会長。フンボルト大学、関西学院大学、ローマ・ラ・サピエンツァ大学、オーフス大学などでも客員教授を務め、ドイツ現象学・解釈学研究の泰斗として、国際的にも精力的な活動を展開している。主著に『ハイデガー──自由の現象学』(88)、『ハイデガー入門』(92)[伊藤徹訳、世界思想社(03)]、『対象性』(06)、『現れ出るもの』(10)、『目立たなさ』(15)、その他多くの編著がある。
齋藤 元紀(サイトウ モトキ)
1968年生。高千穂大学教授。著書:『存在の解釈学』(法政大学出版局)、編著:『始まりのハイデガー』(晃洋書房)、『ハイデガーは反ユダヤ主義か』(水声社)、『終わりなきデリダ』(法政大学出版局)。
陶久 明日香(スエヒサ アスカ)
成城大学准教授。著書:Die Grundstimmung Japans(Peter Lang)、共著:『ハイデガー読本』(法政大学出版局)、論文:「世界の意味喪失の経験は共有できるか?」(『実存思想論集』第32号)。
関口 浩(セキグチ ヒロシ)
1958年生。日独文化研究所研究員、早稲田大学非常勤講師。論文:“Shinobu Orikuchi und Heidegger”(Heidegger-Jahrbuch 7)、訳書:ハイデッガー『芸術作品の根源』『技術への問い』平凡社ライブラリー)。
渡辺 和典(ワタナベ カズノリ)
学習院大学ほか非常勤講師。著書:『最初期ハイデッガーの意味論』(晃洋書房)、共著:『はじまりのハイデガー』(晃洋書房)、『続・ハイデガー読本』(法政大学出版局)。
※上記内容は本書刊行時のものです。はじめに
【肖像】
オットー・ディクス、マルティン・ハイデガーを素描する
仮面(ペルソナ) ハンス・ヴィンマー、マルティン・ハイデガーを素描する
フッサールとハイデガー
【論文】
ハイデガーと現象学
アリストテレス主義者としてのハイデガー
自己についての気遣い、存在、現象性
──ハイデガー『存在と時間』の体系性について
ロゴスを伴う能力(デュナミス・メタ・ログー)
──アリストテレス的な文脈におけるハイデガーの言語哲学
対話術を前にしての畏れ
『ソピステス』講義(一九二四/二五年冬学期)におけるハイデガーのプラトン解釈について
宗教的経験の現象学
歴史をめぐるハイデガーとニーチェ
──ある未決着の対立に向けて
神の忘却
──ハイデガーの『哲学への寄与論稿』の中心について
哲学的な理解はいかにして可能か
──ハイデガーにおける解釈学的なるものの概念について
存在の経験と翻訳
──ハイデガーについての解釈学的考察
形而上学の耐え抜き
──ハイデガーと形而上学的思索
モデルネの形而上学的性格
──「線を越えて」と「「線」について」
エルンスト・ユンガーとマルティン・ハイデガーのモデルネ討議
おわりに
トートナウベルクのハイデガーの山荘
監訳者あとがき
原 注
文献一覧
事項索引
人名索引
田村未希(タムラ ミキ) 1985年生。東京大学上廣死生学講座特任研究員。論文:「前期ハイデガーの方法概念──初期フライブルク講義における「歴史性を理解する」という課題と方法論形成について」(『現象学年報』第29号)。
金成祐人(カンナリ ユウト) 1983年生。慶應義塾大学ほか非常勤講師。論文:「全体における存在者としての自然」(『実存思想論集』第32号)。共著:『入門・倫理学の歴史──24人の思想家』(梓出版社)。
串田純一(クシタ ジュンイチ) 1978年生。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。早稲田大学、東京工業大学ほか非常勤講師。著書:『ハイデガーと生き物の問題』(法政大学出版局)。
神谷 健(カミヤ ケン) 1985年生。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程在籍。関東学院大学非常勤講師。論文:「前期ハイデガーにおける善と論理法則の拘束力の問題」(『現象学年報』第29号)。
峰尾公也(ミネオ キミナリ) 1986年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程在籍。論文:「ハイデガー、デリダ、現前性の形而上学──その「批判」の解明」(『終わりなきデリダ』所収、法政大学出版局)。
丸山文隆(マルヤマ フミタカ) 東京大学大学院人文社会系研究科博士課程在籍。東京外国語大学、さいたま市立高等看護学院非常勤講師。論文「無についてわれわれが語るときにわれわれが語ること」(Heidegger-Forum vol. 8)。
瀧 将之(タキ マサユキ) 1977年生。上智大学非常勤講師。共著:『ハイデガーの技術論』(理想社),論文:「無から存在へ」(『現象学年報』第28号)。
上田圭委子(ウエダ ケイコ) 1966年生。首都大学東京非常勤講師。論文:「初期フライブルク期のハイデガーにおけるパウロ書簡の現象学的解釈」(『実存思想論集』第28号)。
伊藤良司(イトウ リョウジ) 1979年生。慶應義塾志木高等学校教諭。論文:「ハイデガーと「身体性」」(『現象学年報』第26号)、「自然・運動・身体性」(『現象学年報』第30号)。
木元裕亮(キモト ユウスケ) 1986年生。東京大学大学院総合文化研究科博士課程在籍。
魚谷雅広(ウオタニ マサヒロ) 1976年生。淑徳大学ほか非常勤講師。共著:『変容する社会と人間』(北樹出版)、論文:「自立性と二義性──ハイデガーとレーヴィットにおける「他者」」(『倫理学年報』第57集)。
小平健太(コダイラ ケンタ) 立教大学大学院文学研究科博士後期課程在籍。論文:「解釈学的経験の普遍的位相──ガダマーの芸術の思索と言語性(Spralichkeit)」(Heidegger-Forum vol.11.第1回渡邊二郎賞受賞)。
木村史人(キムラ フミト) 立正大学哲学科専任講師。著書:『「存在の問い」の行方』(北樹出版)。論文:「ハイデガーにおける「最も危険なもの」としての言葉」(『哲学』No. 62)。
景山洋平(カゲヤマ ヨウヘイ) 1982年生。東京大学教養学部専任講師。著書:『出来事と自己変容──ハイデガー哲学の構造と生成における自己性の問題』(創文社)。
長谷川晴生(ハセガワ ハルオ) 1984年生。東京理科大学理学部非常勤講師。ドイツ文学・思想。共著:『共感覚から見えるもの』(勉誠出版)、訳書:『陶酔とテクノロジーの美学』(共訳、青弓社)。