叢書・ウニベルシタス 1108
国家に抗するデモクラシー
マルクスとマキァヴェリアン・モーメント
ISBN978-4-588-01108-5 C1310 [2019年12月 刊行]
ミゲル・アバンスール(アバンスール ミゲル)
(Miguel Abensour)
フランスの政治哲学者。1939年パリ生まれ。「ユートピア」「解放」「批判」といった概念を主軸として、現代における「政治的なもの」を問い直した。ランス大学、パリ・ディドロ大学(パリ第7大学)で教鞭を執るかたわら、国際哲学コレージュ議長を務めた。クラストル、ルフォール、カストリアディス等とともに、雑誌『テクスチュール』、『リーブル』、『過去 – 現在』、『騒乱』に参加。Payot社の『政治の批判』叢書の監修を担当し、ラ・ボエシ、ブランキの再評価や、アドルノ、ホルクハイマーを中心とした批判理論受容に尽力したことでも知られる。2017年死去。著書に『トマス・モアからヴァルター・ベンヤミンまでのユートピア』(2000年)、『政治哲学に抗するハンナ・アレント』(2006年)、『批判政治哲学のために』(2009年)など。編書に『サン゠ジュスト全集』(2004年)など。
松葉 類(マツバ ルイ)
1988年生まれ。京都大学大学院文学研究科思想文化学博士後期課程。現代フランス思想、ユダヤ思想。論文に「レヴィナスの有限責任論について――制度における主体性の問い」(『立命館大学人文科学研究所紀要』、2017年)、「レヴィナス後期思想における『より良いもの』について――エルンスト・ブロッホを起点として」(『宗教学研究室紀要』、2016年)など。訳書にフロランス・ビュルガ『猫たち』(共訳、法政大学出版局)など。
山下 雄大(ヤマシタ タケオ)
1988年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程。政治哲学、政治思想史。論文に「統治への不信――サン゠ジュストの政治哲学とその適用」(『年報地域文化研究』、2019年)、「統治なき自然、蜂起するデモクラシー――ミゲル・アバンスールのサン゠ジュスト論から出発して」(『自然――HAPAX 9』、2018年)など。
※上記内容は本書刊行時のものです。イタリア語版への序文 蜂起するデモクラシーと制度
序説
序章
第一章 理性的国家というユートピア
第二章 政治的知性
第三章 一八四三年の危機から政治の批判へ
第四章 読解上の仮説
第五章 真のデモクラシーの四つの特徴
第六章 真のデモクラシーと近代性
終章
補論 「野生のデモクラシー」と「無始原の原理」
訳者あとがき
書評掲載
「図書新聞」(2020年6月20日号/伊藤潤一郎氏・評)に紹介されました。