叢書・ウニベルシタス 1141
アンファンタン
七つの顔を持つ預言者

四六判 / 296ページ / 上製 / 価格 3,630円 (消費税 330円) 
ISBN978-4-588-01141-2 C1323 [2021年12月 刊行]

内容紹介

19世紀前半突如パリに出現し、多くの青年男女の心を捉え、ヨーロッパ社会に一大旋風を巻き起こしたサン=シモン主義運動の指導者、プロスペル・アンファンタンとは誰か。社会主義者として男女平等の提唱、人材の適材適所論を展開し、実業家としてスエズ運河やナイル川ダムの構想を発表、パリの鉄道敷設に邁進し、預言者としてユダヤ人国家の誕生を暗示した。その波瀾万丈な生涯を描く。

著訳者プロフィール

ジャン=ピエール・アレム(ピエール アレム ジャン)

(Jean–Pierre Alem)
1912年ナンシーで生まれ、1995年パリで死去。理工科学校(エコール・ポリテクニク)卒業。本名ジャン=ピエール・ジョルジュ・アルフォンス・カロ。筆名ジャン=ピエール・アレム。推理小説家でありエッセイスト。1967年推理小説大賞を受賞。第2次大戦中、フランス国家秘密諜報局で重要な任務に就き、戦争末期からはスパイ活動に関する学識豊かなエッセイを数多く世に出した。またこれと並行して、ジャン= ピエール・アレムの筆名でポリテクニシアンやサン=シモン主義の冒険譚を発表し、さらに1963年、こうしてその集大成ともいうべき本書『アンファンタン──七つの顔を持つ預言者』を出版した。

小杉 隆芳(コスギ タカヨシ)

1943年生まれ。東京都立大学大学院博士課程単位取得満期退学。豊橋技術科学大学名誉教授。おもな訳書にS. シャルレティ『サン=シモン主義の歴史』(共訳)、フロラ・トリスタン『ロンドン散策』(共訳)、フロラ・トリスタン『ペルー旅行記』、パラン=デュシャトレ『十九世紀パリの売春』、ゲルハルト・レオ『なぜ彼女は革命家になったのか』(以上いずれも法政大学出版局)などがある。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

図版

プロローグ

第1章 元理工科学校生 プロスペル・アンファンタン

第2章 アンファンタンとサン=シモンの邂逅

第3章 サン=シモン主義者アンファンタン

第4章 社会主義者アンファンタン

第5章 モンシニー街

第6章 メニルモンタンの冒険

第7章 物見高い裁判

第8章 獄中のアンファンタン

第9章 エジプト遠征

第10章 王侯への宣教

第11章 アルジェリアでのアンファンタン

第12章 総裁アンファンタン

第13章 アンファンタンと一八四八年二月革命

第14章 アンファンタン再び教団の先頭に立つ

第15章 アンファンタンの宗教的観念

第16章 最後の奇妙な活動

第17章 七つの顔を持つ預言者

原 注

訳者あとがき

人名索引

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