叢書・ウニベルシタス 1155
知識・無知・ミステリー

四六判 / 222ページ / 上製 / 価格 3,300円 (消費税 300円) 
ISBN978-4-588-01155-9 C1310 [2023年04月 刊行]

内容紹介

近代西洋における科学・技術・経済の複合的発展のなかで、未知のものはつねに合理化され、規格化され、排除されてきた。しかし、わたしたちの知識が拡張されるほどに未知の領域もまた発見されるのであり、未知のものこそが宇宙のミステリーに対するわたしたちの感性を研ぎ澄ませてくれるのである。知っていること、知らないこと、知りえないことの対立的かつ相補的な関係をめぐる、〈百歳の哲学者〉モランの科学哲学エッセイ。

著訳者プロフィール

E.モラン(モラン エドガール)

E. モラン(Edgar Morin)
1921年、パリ生まれの社会学者・思想家。パリ大学に学び、大戦中は対独レジスタンス活動に参加。戦後は雑誌編集者、映画評論家として活躍。パリの国立科学研究所(CNRS)の主任研究員として、現代の多元的・総合的な人間・社会・文化の調査研究に成果を上げる。日本語訳に『人間と死』『政治的人間』『カリフォルニア日記』『失われた範列』『プロデメの変貌』『自己批評』『スター』『大いなる女性』『時代精神(全2巻)』『映画』『ソ連の本質』『意識ある科学』『ヨーロッパを考える』『ドイツ零年』『出来事と危機の社会学』『二十世紀からの脱出』『E・モラン自伝』『祖国地球』『方法(全5巻)』(以上、法政大学出版局)、『複雑性とはなにか』(国文社)『オルレアンのうわさ』(みすず書房)、『百歳の哲学者が語る人生のこと』(河出書房新社)などがある。

杉村 昌昭(スギムラ マサアキ)

杉村昌昭 1945年生まれ。龍谷大学名誉教授。フランス文学・現代思想専攻。著書に『資本主義と横断性』(インパクト出版会)、『分裂共生論』(人文書院)。訳書にガタリ『分子革命』『精神と記号』(以上、法政大学出版局)、『三つのエコロジー』(平凡社ライブラリー)、『闘走機械』(松籟社)『カフカの夢分析』『精神病院と社会のはざまで』(以上、水声社)、『人はなぜ記号に従属するのか』『エコゾフィーとは何か』(以上、青土社)、ガタリ/ドゥルーズ『政治と精神分析』(法政大学出版局)、ガタリ/ネグリ『自由の新たな空間』(世界書院)、ガタリ/ロルニク『ミクロ政治学』(共訳、法政大学出版局)、アザン『パリ大全』(以文社)、ジェノスコ『フェリックス・ガタリ』(共訳、法政大学出版局)、ラッツァラート『記号と機械』(共訳、共和国)、『〈借金人間〉製造工場』(作品社)、『資本はすべての人間を嫌悪する』(法政大学出版局)、アリエズ/ラッツァラート『戦争と資本』(共訳、作品社)、ロバン『なぜ新型ウィルスが次々と世界を襲うのか?』(作品社)、ミルズ『人種契約』(共訳、法政大学出版局)などがある。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

プレリュード
第一章 無知な知識
第二章 現実
 現実の半分は想像の産物か?
 〈すべては錯覚である〉と〈何ひとつ錯覚ではない〉の併存
 われわれの現実は最初からあったのではなく、突然現れたのである
 超複雑な現実
第三章 われわれの宇宙=世界
 天地創造
 大いなる出現
 物理学のブラックホール
第四章 進化のなかにおける生命と革命
 死に対する生の応答──再─発生と再生
 生命力を有する知性と感性
 結 び
第五章 生命の創造力
 生命は創造力を創造する
 困 難
 生命の概念の普遍化
 結 び
第六章 人間が知らない人間のこと
 われわれは誰か? われわれは何か?
 無知から十全たる意識へ
第七章 脳と精神
 類推的知識
 精神の創造力
 シャーマニズム
 ミメーシス(模倣=擬態)
 詩的状態
 エクスタシー
 直 観
 結 び
第八章 ポストヒューマン
 破 綻
 ポストヒューマンのパースペクティヴ
 ポストヒューマンの条件
フィナーレ

 主要著作一覧
 訳者あとがき

書評掲載

「図書新聞」(2023年08月12日号/平賀裕貴氏・評)に紹介されました。

関連書籍

『方法 2』
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『方法 3』
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『方法 4』
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『方法 5』
E.モラン:著
『失われた範列』
E.モラン:著
『人間と死』
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