りぶらりあ選書
解決志向の言語学
言葉はもともと魔法だった

四六判 / 422ページ / 上製 / 価格 5,060円 (消費税 460円) 
ISBN978-4-588-02204-3(4-588-02204-0) C1311 [2000年11月 刊行]

内容紹介

心理療法理論を哲学と心理学の概念から説き,問題〈解決〉のための具体的な治療(会話)を展開。言葉の魔術的な力が明らかにされ我々を最先端の心理療法へと導く。

著訳者プロフィール

スティーヴ・ド・シェイザー(ド・シェイザー,S.)

(Steve de Shazer)
1940–2005。ウィスコンシン大学卒業。解決志向アプローチを唱えて日本と欧米の若い心理臨床家をリードした。日本へは「治療抵抗の死」という論文に注目した監訳者らが、日本家族心理学会(1986年、第3回大会)に夫人のインスー・キム・バーグと共に招聘したのが最初である。中心は「例外」という概念であり、影響を受けたメンタル・リサーチ・インスティチュートの「ルール」という概念に対応する。

長谷川 啓三(ハセガワ ケイゾウ)

東北大学大学院博士課程修了。教育学博士(臨床心理学)。現在、東北大学大学院教授。本書の著者とその方法を1986年以来、わが国に紹介している。日本家族心理学会常任理事。日本心理臨床学会理事。ド・シェイザーの精神を受け継ぐ「日本ブリーフ・セラピー協会」代表。ITC家族心理研究センター(名古屋市)代表。著訳書:『ソリューション・バンク―ブリーフセラピーの哲学と新展開』(金子書房)、ワツラウィック『希望の心理学―そのパラドキシカルアプローチ』(法政大学出版局)、ワツラウィック、他『変化の原理―問題の形成と解決』(同)、ほか。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 謝辞
 序章

 第I部
第1章 「ことばのやり取りに他ならない」
第2章 ことばと構造、構造とことば
第3章 ラカンの穴と全体
第4章 問題の表層への到達
第5章 ベイトソンの「認識論」──ブラックホールか?
第6章 フロイトのあやまち──ことばは魔力を失わず

 第II部
第7章 プロブレム・トークとソリューション・トーク
第8章 表層の「問題」にたどり着く
第9章 クライアントが話す内容をそのまま受け取ること
第10章 「何か良いことはありましたか?」──初回面接以降
第11章 成功の物語を構成すること──コンサルテーション面接
第12章 かろうじて5になるということ
第13章 表層──そこに解決を求める
第14章 ちょっと待って、それが奇跡なんだ!
第15章 エピローグ

 引用文献
 訳者あとがき
 索引