最近の政治的・社会的事件,映画,テレビ,SF,クローン生物等を縦横に論じつつ,実在の消滅と〈ハイパーリアル〉の専制を予見し,現代消費社会の状況を抉る。
J.ボードリヤール(ボードリヤール ジャン)
(Jean Baudrillard)
1929年生まれの現代フランスの社会学者。最初の著作『物の体系』(68)において〈それ自体で存在する物から記号としての物へ〉という視点を記号論の枠内で提起、続く『消費社会の神話と構造』(70)、『記号の経済学批判』(72)では、物を記号として消費する社会の構造、記号としての物の特徴を解明。72年の著作で顔を見せた〈象徴交換〉の概念を中心としながら、マルクス主義の基礎概念とみなす〈生産〉概念に批判を加えようとしたのが『生産の鏡』(73)、『象徴交換と死』(75)、などであり、『誘惑の戦略』(79)、『シミュラークルとシミュレーション』(81)以降の著作では、この〈象徴交換〉、あるいは実在をもたない記号としての〈シミュラークル〉、〈シミュレーション〉をキー概念として現代社会・文化を分析している。またボードリヤールは、再三来日し、講演やシンポジウムを行なっている。2007年3月死去。
竹原 あき子(タケハラアキコ)
1940年生まれ。千葉大学工学部卒業。1968年から1973年までフランス政府給費留学生としてENSAD, Institut d'Environnement, EPHEに学ぶ。和光大学名誉教授。工業デザイナー。
※上記内容は本書刊行時のものです。1章 シミュラークルの先行
イメージの見事なる反照合
ラムセス、あるいはバラ色の復活
ハイパーリアルとイマジネール
政治的まじない
ラセン状否定──メビウス
実在の戦略
監視所の終り
軌道と核
2章 歴史──復古のシナリオ
3章 ホロコースト
4章 チャイナ・シンドローム
5章 アポカリプス・ナウ(『地獄の黙示録』)
6章 ボーブール効果──内破と抑止
7章 ハイパーマーケットとハイパー商品
8章 メディアの中で意味は内破する
9章 絶対広告と零広告
10章 クローン物語
11章 ホログラム
12章 クラッシュ
13章 シミュラークルとSF
14章 動物──テリトリーとメタモルフォーズ
15章 残り
16章 螺旋しかばね
17章 価値のラスト・タンゴ
18章 ニヒリズムについて
原注
訳者あとがき
イメージの見事なる反照合
ラムセス、あるいはバラ色の復活
ハイパーリアルとイマジネール
政治的まじない
ラセン状否定──メビウス
実在の戦略
監視所の終り
軌道と核
2章 歴史──復古のシナリオ
3章 ホロコースト
4章 チャイナ・シンドローム
5章 アポカリプス・ナウ(『地獄の黙示録』)
6章 ボーブール効果──内破と抑止
7章 ハイパーマーケットとハイパー商品
8章 メディアの中で意味は内破する
9章 絶対広告と零広告
10章 クローン物語
11章 ホログラム
12章 クラッシュ
13章 シミュラークルとSF
14章 動物──テリトリーとメタモルフォーズ
15章 残り
16章 螺旋しかばね
17章 価値のラスト・タンゴ
18章 ニヒリズムについて
原注
訳者あとがき