人間の欲望の模倣性と社会の根底に潜む暴力を抉った前著の主張を更に徹底させ、マショーの詩におけるユダヤ人迫害からキリストの架刑まで、北欧神話における主人公の死から現代アメリカの黒人リンチにいたる様々な迫害の構造を分析したジラールの最新論考。〔文学・社会〕
R.ジラール(ジラール ルネ)
1923年南フランスのアヴィニョンに生まれる.パリの古文書学院,アメリカのインディアナ大学で学業を修め,同大学をはじめジョンズ・ホプキンズ大学,ニューヨーク州立大学などを経て1981年からスタンフォード大学のフランス語学・文学・文明の教授.独自の模倣理論・三角形的欲望理論・暴力理論をもとに,文学・社会学などの分野で注目すべき評論を行なっている.本書のほか『欲望の現象学』,『暴力と聖なるもの』,『ドストエフスキー』,『世の初めから隠されていること』,『このようなことが起こり始めたら…』,『羨望の炎──シェイクスピアと欲望の劇場』,などが邦訳〔法政大学出版局刊〕されている.
織田 年和(オダ トシカズ)
1949年生まれ.京都大学大学院文学研究科博士課程修了.フランス文学専攻.京都産業大学教授.訳書:デュムシュル/デュピュイ『物の地獄』〔共訳,法政大学出版局刊〕,ほか.
富永 茂樹(トミナガ シゲキ)
1950年生まれ.京都大学大学院文学研究科博士課程修了.社会学専攻.京都大学人文科研究所教授.訳書:デュムシュル/デュピュイ『物の地獄』〔共訳,法政大学出版局刊〕,ほか.
※上記内容は本書刊行時のものです。