T.トドロフ(トドロフ ツヴェタン)
1939年,ブルガリアに生まれる.1973年,フランスに帰化.ロラン・バルトの指導のもとに『小説の記号学』(67)を著して構造主義的文学批評の先駆をなす.『象徴の理論』(77),『象徴表現と解釈』(78),『言説の諸ジャンル』(78),『批評の批評』(84)で文学の記号学的研究をすすめるかたわら,『他者の記号学──アメリカ大陸の征服』(82)以後,記号学的見地から〈他者〉の問題に関心を深め,『ミハイル・バフチン──対話の原理』(81),『アステカ帝国滅亡記──インディオによる物語』(83),『はかない幸福─ルソー』(85),『われわれと他者』(89),『極限に面して』『歴史のモラル』(91),『フランスの悲劇』(94),『共同生活』(95),『異郷に生きる者』(96),『未完の菜園』(98),『悪の記憶・善の誘惑』(2000),『越境者の思想』(02),『イラク戦争と明日の世界』(03),『絶対の冒険者たち』『啓蒙の精神』(06),『文学が脅かされている』(07)などを刊行している.91年,『歴史のモラル』でルソー賞を受賞.
及川 馥(オイカワ カオル)
1932年宮城県生まれ.東北大学大学院文学研究科博士課程修了.フランス文学専攻.茨城大学名誉教授,前愛国学園大学教授.主著:『バシュラールの詩学』『原初からの問い──バシュラール論考』.詩集:『テラスにて』『鳥?その他』『夕映え』.訳書:バシュラール『近似的認識試論』(共訳)・『科学的精神の形成』(共訳)・『大地と意志の夢想』・『夢想の詩学』・『エチュード』・『水と夢』,セール『生成』・『離脱の寓話』・『両性具有』・『第三の知恵』・『天使の伝説』・『パラジット』(共訳)・『自然契約』(共訳)・『アトラス』(共訳),トドロフ『はかない幸福─ルソー』・『象徴表現と解釈』(共訳)・『批評の批評』(共訳),ブラン『ボードレールのサディスム』・『ボードレール』(共訳),ヴェベール『テーマ批評とは何か』,ディエゲス『批評家とその言語』,ほか.
一之瀬 正興(イチノセ マサオキ)
1940年山梨県生まれ.東北大学大学院修士課程修了.フランス古典演劇専攻.成城大学文芸学部教授.訳書:オルランディ『モリエール』,ジュール・サンジェ『弁論術とレトリック』(共訳),ほか.
※上記内容は本書刊行時のものです。第一章 西欧における記号学の発生
第二章 修辞学の栄枯盛衰
第三章 修辞学の終焉
第四章 模倣理論の不運
第五章 模倣と有縁化
第六章 ロマン主義の危機
第七章 言語とその分身
第八章 フロイトの修辞学(レトリック)
第九章 ソシュールにおける象徴的なもの
第十章 ヤコブソンの詩学
三つの道
付録──言表行為とフロイト
原注
訳者あとがき
人名索引