叢書・ウニベルシタス 800
社会の芸術 〈新装版〉

四六判 / 776ページ / 上製 / 価格 8,580円 (消費税 780円) 
ISBN978-4-588-09957-1 C1336 [2012年09月 刊行]

内容紹介

多様性と個性の世界──芸術。しかし、芸術は一体どのようなシステムだろうか。それはまた、社会システムの中でどう存在するのか。直観と想像力、知覚とコミュニケーションの機能に注目しつつ、システムと環境、メディアと形式、観察の一次性と二次性、自己言及と他者言及、等々の差異・区分によって芸術システムを究明し、他の社会的諸機能システムとの相互的な刺激の可能性を示唆する芸術の社会理論。

著訳者プロフィール

N.ルーマン(ルーマン ニクラス)

(Niklas Luhmann)
1927年ドイツのリューネブルクに生まれる。1968-1993年ビーレフェルト大学社会学部教授。70年代初頭にはハーバーマスとの論争により名を高め、80年代以降「オートポイエーシス」概念を軸とし、ドイツ・ロマン派の知的遺産やポスト構造主義なども視野に収めつつ、新たな社会システム理論の構築を試みる。90年前後よりこの理論を用いて現代社会を形成する諸機能システムの分析を試み、その対象は経済、法、政治、宗教、科学、芸術、教育、社会運動、家族などにまで及んだ。1998年没。『宗教論』『近代の観察』『社会の法 1・2』『社会の芸術』『社会の社会 1・2』『社会の科学 1・2』『社会構造とゼマンティク 1』(以上、法政大学出版局)、『社会システム理論 上・下』(恒星社厚生閣)、『信頼』(勁草書房)など邦訳多数。

馬場 靖雄(ババ ヤスオ)

1957年、新潟県生まれ。1988年、京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在、大東文化大学経済学部教授。著書:『ルーマンの社会理論』(勁草書房、2001年)、『反=理論のアクチュアリティー』(編著、ナカニシヤ出版、2001年)、『社会学のアリーナへ』(共著、東信堂、2007年)、他。翻訳:N.ルーマン『近代の観察』(2003年)、『社会の法 1・2』(共訳、2003年)、『社会の芸術』(2004年)、『社会の社会 1・2』(共訳、2009年)(以上、法政大学出版局)、他。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 凡例
 序言

第一章 知覚とコミュニケーション──形式の再生産について

第二章 ファースト・オーダーの観察とセカンド・オーダーの観察

第三章 メディア形式

第四章 芸術の機能と芸術システムの分出

第五章 自己組織化──コード化とプログラム化

第六章 進化

第七章 自己記述

 原注
 訳注
 訳者あとがき
 事項索引
 人名索引