叢書・ウニベルシタス 515
ドゥルーズの哲学 〈新装版〉
ISBN978-4-588-09973-1 C1310 [2013年10月 刊行]
M.ハート(ハート マイケル)
(Michael Hardt)
1960年生まれ。ワシントン大学で博士号を取得。現在、デューク大学教授(比較文学、政治哲学)。本書のあと、グローバル化した資本の運動に抵抗しつつ新しい共同性の創造へと向かう社会的諸実践の分析をアントニオ・ネグリと共に行い、その成果を『ディオニュソスの労働』(人文書院)、『〈帝国〉』(以文社)、『マルチチュード』、『コモンウェルス』、『宣言』〔邦題:『叛逆』〕(以上、NHK出版)などの著作を通して精力的に発表している。
田代 真(タシロ マコト)
1955年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。筑波大学大学院文芸・言語研究科博士課程中退。国士舘大学文学部教授。論文:「“The Capital of the World” を読む──題名と物語における空間の記号性をめぐって」ほか。
井上 摂(イノウエ セツ)
慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。慶應義塾大学講師。現代思想・表象文化論・ジェンダー論・死生論。論文:「労働力身体の亡霊性を閾(=無為)へと転位させる瀆聖的操作──CUATRO GATOS[rest/labor]をめぐる試論」ほか。講演:「〈性的差異「以前」という残余、あるいは無気味なもの〉」。(http://setzgg.seesaa.net/)
浅野 俊哉(アサノ トシヤ)
1962年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。筑波大学哲学・思想研究科博士課程満期単位取得。関東学院大学法学部教授。著書:『スピノザ 共同性のポリティクス』(洛北出版)ほか。論文:「〈良心〉の不在と遍在化──スピノザにおけるmorsus conscientiaの行方」ほか。
暮沢 剛巳(クレサワ タケミ)
1966年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。東京工科大学デザイン学部准教授。著書:『ル・コルビュジエ』(朝日選書)、『自伝でわかる現代アート』(平凡社新書)。訳書:ペニー・スパーク『パステルカラーの罠』(共訳、法政大学出版局)ほか。
※上記内容は本書刊行時のものです。緒言 初期ドゥルーズ──いくつかの方法論的諸原則
第一章 ベルクソンの存在論──存在の肯定的な運動
第一節 限定と生成的な差異
第二節 質から量への移行における多様性
第三節 存在の肯定的流出
第四節 生成の存在と現勢的なものの組織化
注解 ドゥルーズと解釈
第二章 ニーチェ的倫理学──生成的な力から肯定の倫理学へ
第一節 敵のパラドックス
第二節 超越論的方法と部分的批判
注解 ドゥルーズによる「非人称的」なニーチェの選択
第三節 奴隷の論理と生成的な力
注解 否定性の復活
第四節 奴隷の労働と反逆的批判
注解 労働者の力への意志と社会的綜合
第五節 生成の存在──生成的な意志による倫理的綜合
第六節 存在の基礎としての全体的批判
注解 ドゥルーズの反ヘーゲル主義の終結
第七節 パトスと喜び──肯定的存在の実践に向けて
第三章 スピノザ的実践──肯定と喜び
思弁
第一節 実体と実在的区別──唯一 = 特異性
第二節 表現的属性と形相的区別── 一義性
注解 存在論的思弁
第三節 存在の力
存在論的表現
第四節 属性の解釈──唯物論的存在論の問題
注解 思弁的産出と理論的実践
第五節 思惟の優越性との闘い
注解 探究Forschungから提示Darstellungへ
力
第六節 真なるものと十全なもの
第七節 一つの身体は何をなしうるか
実践
第八節 共通概念──構成可能な存在の組み合わせ
第九節 理性の構成
注解 理論的実践と実践的構成
第十節 組織化の技術 = 芸術──政治的組み合わせに向けて
第四章 結論 哲学の徒弟時代
第一節 存在論
第二節 肯定
第三節 実践
第四節 構成
原注
訳者あとがき
文献目録
索引