シリーズ・キーワードで読む中国古典 4
治乱のヒストリア
華夷・正統・勢
四六判 / 252ページ / 上製 / 価格 3,190円 (消費税 290円)
ISBN978-4-588-10034-5 C1310 [2017年03月 刊行]
ISBN978-4-588-10034-5 C1310 [2017年03月 刊行]
自らと他者を区別して、世界秩序や天下的世界観も示す「華夷」。治乱興亡の『三国志』から、現在も、政権などについて問い直される「正統」。君主の権力や勢威から派生し、空間的布置や形勢、歴史的・時間的趨勢も意味する「勢」。中国の政治思想、文化論、国家観など広範な領域でその本質を考察する。悠久の時間を往還し、広大な空間を横断して、歴史のダイナミズムが、いま動き出す。
伊東 貴之(イトウ タカユキ)
国際日本文化研究センター教授・総合研究大学院大学教授。専門は中国近世思想史、日中比較文学・思想、東アジア文化交流史。主な著作に、『思想としての中国近世』(東京大学出版会、2005)、『「心身/身心」と環境の哲学――東アジアの伝統思想を媒介に考える』(編著、汲古書院、2016)、『中国という視座』(共著、平凡社、1995)など。
渡邉 義浩(ワタナベ ヨシヒロ)
早稲田大学文学学術院教授。専門は中国古代思想史。主な著作に、『三國志よりみた邪馬臺國――国際関係と文化を中心として』(汲古書院、2016)、『「古典中國」における文學と儒教』(汲古書院、2015)、『三国志――英雄たちと文学』(人文書院、2015)、『三国志――演義から正史、そして史実へ』(中公新書、2011)など。
林 文孝(ハヤシ フミタカ)
立教大学文学部教授。専門は中国哲学。主な著作に、『コスモロギア――天・化・時』(共著、法政大学出版局、2015)、『「封建」・「郡県」再考――東アジア社会体制論の深層』(共著、思文閣出版、2006)、『比較史のアジア――所有・契約・市場・公正』(イスラーム地域研究叢書4、共著、東京大学出版会、2004)など。
※上記内容は本書刊行時のものです。総説 (伊東貴之)
1 伝統中国(古典中国)における「歴史」とは?──「空間」性への眺望
2 華夷/正統/勢──「空間」の歴史、または、各章への導入を兼ねて
3 「歴史」を再考する──偶然性・中立性と流動性の坩堝へ
第一章 華夷について (渡邉義浩)
1 文化概念としての華夷
1 春秋公羊学
2 春秋穀梁学
3 春秋左氏学
2 仏教と華夷思想
1 仏教の排斥
2 仏教との共存
3 道学の華夷思想
3 西欧と華夷思想
1 征服王朝下の華夷思想
2 公羊伝と左氏伝
3 華夷思想の終焉
第二章 正統について (林文孝)
1 正統論的議論の発生
1 政権正統性の観念
2 五徳終始説
3 春秋学
2 三国時代と南北朝時代
3 北宋
1 西順蔵の議論の概要とその問題点
2 欧陽脩(一)
3 章望之
4 蘇軾
5 司馬光
6 欧陽脩(二)
4 南宋
5 元・明・清
1 概要
2 「道統」と「治統」
3 明代通俗歴史書の正統論
4 清朝正統論のうちそと
6 近現代
第三章 勢について (伊東貴之)
1 移ろいゆくもの──「勢」とは何か?
1 天(=自然史/誌)から人事(=歴史)へ──変化と反復、循環
2 古代における「勢」──個人から集団へ、空間的な布置から歴史へ
3 藝術における「勢」──文章・絵画・書における転調と変貌
2 歴史と「勢」──治乱、気数と事勢(時勢)、理勢の相剋
1 歴史意識の諸相──治乱、気数と事勢(時勢)
2 理/勢の相剋──制度と風俗の推移と変容
余説
乱のヒストリア、治のヒストリア、そして古典中国 (渡邉義浩)
索引
1 伝統中国(古典中国)における「歴史」とは?──「空間」性への眺望
2 華夷/正統/勢──「空間」の歴史、または、各章への導入を兼ねて
3 「歴史」を再考する──偶然性・中立性と流動性の坩堝へ
第一章 華夷について (渡邉義浩)
1 文化概念としての華夷
1 春秋公羊学
2 春秋穀梁学
3 春秋左氏学
2 仏教と華夷思想
1 仏教の排斥
2 仏教との共存
3 道学の華夷思想
3 西欧と華夷思想
1 征服王朝下の華夷思想
2 公羊伝と左氏伝
3 華夷思想の終焉
第二章 正統について (林文孝)
1 正統論的議論の発生
1 政権正統性の観念
2 五徳終始説
3 春秋学
2 三国時代と南北朝時代
3 北宋
1 西順蔵の議論の概要とその問題点
2 欧陽脩(一)
3 章望之
4 蘇軾
5 司馬光
6 欧陽脩(二)
4 南宋
5 元・明・清
1 概要
2 「道統」と「治統」
3 明代通俗歴史書の正統論
4 清朝正統論のうちそと
6 近現代
第三章 勢について (伊東貴之)
1 移ろいゆくもの──「勢」とは何か?
1 天(=自然史/誌)から人事(=歴史)へ──変化と反復、循環
2 古代における「勢」──個人から集団へ、空間的な布置から歴史へ
3 藝術における「勢」──文章・絵画・書における転調と変貌
2 歴史と「勢」──治乱、気数と事勢(時勢)、理勢の相剋
1 歴史意識の諸相──治乱、気数と事勢(時勢)
2 理/勢の相剋──制度と風俗の推移と変容
余説
乱のヒストリア、治のヒストリア、そして古典中国 (渡邉義浩)
索引