佐々木 孝(ササキ タカシ)
一九三九年、北海道帯広市生まれ。一九六二年、上智大学外国語学部イスパニア語科卒業。一九六七年、同大学文学部哲学科卒業。専攻、ウナムーノ、オルテガを中心とする現代スペイン思想。清泉女子大学、常葉学園大学、東京純心女子大学教授など歴任。東京外国語大学、早稲田大学、駒沢大学等で非常勤講師を務める。現在は津波・原発の被災地となった故郷南相馬市でその現況を世界へ向け発信している。
主な訳書に、『ウナムーノ著作集1〜5巻』(共編・共訳)、『キリスト教の苦悶』(共訳)、ピダル『スペイン精神史序説』、オルテガ『哲学の起源』、『ガリレオをめぐって』(共訳)、バロッハ『カーニバル』(以上、法政大学出版局)、オルテガ『個人と社会』(共訳、白水社)、マダリアーガ『情熱の構造──イギリス人、フランス人、スペイン人』(れんが書房新社)など。著作に『ドン・キホーテの哲学──ウナムーノの思想と生涯』(講談社)、『原発禍を生きる』(論創社。本書は香港、韓国、スペインでそれぞれ翻訳出版された)、『スペイン文化入門』(彩流社)、またウナムーノの造語「モノディアロゴス(独対話)」の名を冠したブログを二〇〇二年以降続け、現在『モノディアロゴス』(行路社)とともに、私家版十四冊に纏められている。
執行 草舟(シギョウ ソウシュウ)
一九五〇年、東京都生まれ。立教大学法学部卒業。実業家、著述家、歌人。ウナムーノの哲学思想に深く影響を受け、独自の生命論を確立し、実業に生かしている。また、戸嶋靖昌記念館 館長、執行草舟コレクション主宰を務める。蒐集する美術品には、安田靫彦、白隠、東郷平八郎、南天棒、山口長男、平野遼等がある。洋画家 戸嶋靖昌とは、深い親交を結び、画伯亡きあと全作品を譲り受け、記念館を設立。駐日スペイン大使館等と協力の元、戸嶋靖昌の展覧会を実施。また、コレクションを千代田区麴町の展示フロアで公開している。
著書に、『「憧れ」の思想』『おゝポポイ!』(以上、PHP研究所)、『生くる』『友よ』『根源へ』(以上、講談社)、『孤高のリアリズム』『憂国の芸術』『生命の理念 Ⅰ/Ⅱ』(以上、講談社エディトリアル)、『魂の燃焼へ』(共著/イースト・プレス)、『耆に学ぶ』(共著/エイチエス)、『見よ銀幕に』(戸嶋靖昌記念館)等がある。日本菌学会終身会員。
第一部
プロローグ われわれにとってスペインとは何か
第一章 精神の風土──理性と信仰
1─内戦のなかの生
2─聖性への招きと拒絶
3─カスティーリャの発見
4─虚無の天使
第二章 わが友ドン・キホーテ──不滅を求める狂気の騎士よ
1─スペイン再生の指標
2─ドン・キホーテ哲学の誕生
3─生の悲劇的感情
4─人格の不滅性
5─詩と真実
第三章 亡命と望郷
1─総長罷免から国外追放へ
2─政治上学
3─内戦のなかの死
エピローグ 思索の旅 ウナムーノ巡礼
第一部あとがき
第二部
第一章 ウナムーノの煩悶──その哲学の出発
1─二人のウナムーノ
2─二つのスペイン
3─内なるスペイン
4─スペイン再生の道標、ドン・キホーテ
第二章 ウナムーノの咆哮──その哲学の考察
1─スペイン問題
2─メネンデス・ペラーヨと博学
3─アンヘル・ガニベットと内面主義
4─荒野に叫ぶ声
第三章 ウナムーノと漱石──伝統と近代の狭間で
1─近代化に対する日本とスペイン
2─近代化と二人の文学者
3─『殉教者、聖マヌエル・ブエノ』と『こころ』
4─ウナムーノと漱石の類似点
監修者あとがき 執行草舟
参考文献
ミゲル・デ・ウナムーノ略年譜
注
人名索引
書評掲載
「産経新聞」(2018年3月4日付/桑原聡氏・評)にて紹介されました。