膨大な著作や画期的な論争によって、二十世紀フランスを代表する哲学者・知識人となったサルトル。世界大戦がもたらした実存の虚無に想像力で立ち向かった作家は、同時代人との友情・競合関係を通じていかにその特異な思想と文体を創造しえたのか。サルトル研究の第一人者が、伝記や自伝、イメージ論や文体論、同性愛などのテーマに着目し、一つの時代を多面的に浮き彫りにする。
澤田 直(サワダ ナオ)
1959年東京生。立教大学文学部教授。パリ第1大学博士課程修了(哲学博士)。フランス語圏文学・現代思想。著書に『〈呼びかけ〉の経験──サルトルのモラル論』(人文書院)、『ジャン=リュック・ナンシー』(白水社)、編著に『サルトル読本』(法政大学出版局)、『異貌のパリ1919‒1939──シュルレアリスム、黒人芸術、大衆文化』(水声社)、訳書にサルトル『真理と実存』『言葉』(以上、人文書院)、同『自由への道』全6巻(共訳、岩波文庫)、ベルナール=アンリ・レヴィ『サルトルの世紀』(共訳、藤原書店、第41回日本翻訳出版文化賞)、フィリップ・フォレスト『さりながら』(白水社、第15回日仏翻訳文学賞)、フェルナンド・ペソア『新編不穏の書、断章』(平凡社ライブラリー)ほか。
※上記内容は本書刊行時のものです。はじめに
略号表・参考文献
第Ⅰ部 同時代を生きること
第1章 世代の問題を出発点として
第2章 他者の現象学──プルーストを読むサルトルとレヴィナス
第3章 両大戦間期パリ──ロシア系哲学者たち、九鬼周造とサルトル
第4章 シュルレアリスムとエグゾティスム──ブルトンとサルトル
第5章 神秘主義をめぐって──バタイユとサルトル
第6章 人間と歴史をめぐって──レヴィ=ストロースとサルトル
第7章 いかにして共に生きるか──サルトルとバルト
第8章 集団、主体性、共同体──六八年五月とサルトル、ドゥルーズ=ガタリ、ブランショ
第9章 詩人ポンジュを読む二人の哲学者──デリダとサルトル
第Ⅱ部 サルトルの提起する問い
第10章 イメージ論とは何か──不在の写真をめぐって
第11章 文学と哲学の草稿研究──『カルネ』を中心に
第12章 同性愛とヒューマニズム──実存主義のジェンダー論
第13章 作家・哲学者にとってスタイルとは──文体論をめぐって
第14章 自伝というトポス
初出一覧
あとがき
人名索引
略号表・参考文献
第Ⅰ部 同時代を生きること
第1章 世代の問題を出発点として
第2章 他者の現象学──プルーストを読むサルトルとレヴィナス
第3章 両大戦間期パリ──ロシア系哲学者たち、九鬼周造とサルトル
第4章 シュルレアリスムとエグゾティスム──ブルトンとサルトル
第5章 神秘主義をめぐって──バタイユとサルトル
第6章 人間と歴史をめぐって──レヴィ=ストロースとサルトル
第7章 いかにして共に生きるか──サルトルとバルト
第8章 集団、主体性、共同体──六八年五月とサルトル、ドゥルーズ=ガタリ、ブランショ
第9章 詩人ポンジュを読む二人の哲学者──デリダとサルトル
第Ⅱ部 サルトルの提起する問い
第10章 イメージ論とは何か──不在の写真をめぐって
第11章 文学と哲学の草稿研究──『カルネ』を中心に
第12章 同性愛とヒューマニズム──実存主義のジェンダー論
第13章 作家・哲学者にとってスタイルとは──文体論をめぐって
第14章 自伝というトポス
初出一覧
あとがき
人名索引
書評掲載
「日本経済新聞」(2020年2月8日付)に紹介されました。
「ふらんす」(2020年3月号/鈴木道彦氏・評)に紹介されました。
「読書人」(2020年3月13日号/赤阪辰太郎氏・評)に紹介されました。
「フランス哲学・思想研究25」(2020年9月刊行)で、書評・紹介されました。
「法政哲学」(第17号、2021年発行/酒井健氏・評)に紹介されました。