『技術と時間』『象徴の貧困』『無信仰と不信』などの著作で知られる哲学者B.スティグレール(1952〜2020)。「人新世の技術論」とも称されるその壮大な思索は、産業資本主義と自然環境の危機に立ち向かう理論的・実践的プロジェクトであると同時に、技術や過失と向き合わざるをえない人類の歴史を根源から問い直すものだった。膨大な著作のエッセンスをわかりやすく紹介する日本初の入門書!
李舜志(リ スンジ)
李舜志(リ スンジ)
1990年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。学術振興会特別研究員、コロンビア大学客員研究員などを経て、現在法政大学社会学部准教授。主な論文に「ベルナール・スティグレールにおける注意概念について──過去把持の批判的読解に着目して」(『教育学研究』第85巻第1号)、“Coexistence between attention and distraction: an attempt to bridge the gap between Bernard Stiegler and Walter Benjamin”, Educational Philosophy and Theory, vol. 54など。
はじめに
序章 人新世からネガントロポセンへ
1 人新世とは何か
2 エントロピー増大の法則
3 ジョージェスク=レーゲンと技術
4 ネガントロポセンへ
第1章 技術は手段ではない
1 メノンのアポリア
2 テクネーとエピステーメー
3 一般器官学
4 声と記録の「正確さ」
第2章 人間と技術の誕生
1 エピメテウスの過失
2 人類は足からはじまった
3 プログラムの外在化
4 差延と人間の発明
第3章 「私」になること
1 時計と「ひと」
2 個体化とファルマコン
3 心的かつ集合的個体化
第4章 チューリング・マシンと意識の有限性
1 チューリング・マシンの無限の記憶
2 第一次過去把持と第二次過去把持
3 過去把持の円環構造と有限性
第5章 アテンションをめぐる戦い
1 注意の中のテンション
2 第三次過去把持と予期せぬもの
3 希少な資源としてのアテンション
第6章 資本主義の三つの精神
1 プロテスタンティズムの倫理とオティウムの喪失
2 フォーディズムと制作知の喪失
3 文化産業と生活知の喪失
4 六八年五月と資本主義の新しい精神
第7章 自動化する社会
1 ビッグデータと夢の在庫化
2 デジタル上の蜘蛛の巣
3 アルゴリズムによる統治の何が問題なのか
第8章 雇用の終焉、労働万歳!
1 自動化による雇用の終焉?
2 労働の解放、労働からの解放
3 ハッカー倫理による労働の再定義
4 現代のラッダイトたち
第9章 協働型経済
1 協働型経済の目的──ケイパビリティ・アプローチ
2 協働型経済の場所──地域をケアする
3 協働型経済の収入──実演芸術家の断続的収入
4 セーヌ=サン=ドニでの協働型プロジェクト
終章 今を生きるトビウオたちのために
さいごに
あとがき
参考文献
索 引
序章 人新世からネガントロポセンへ
1 人新世とは何か
2 エントロピー増大の法則
3 ジョージェスク=レーゲンと技術
4 ネガントロポセンへ
第1章 技術は手段ではない
1 メノンのアポリア
2 テクネーとエピステーメー
3 一般器官学
4 声と記録の「正確さ」
第2章 人間と技術の誕生
1 エピメテウスの過失
2 人類は足からはじまった
3 プログラムの外在化
4 差延と人間の発明
第3章 「私」になること
1 時計と「ひと」
2 個体化とファルマコン
3 心的かつ集合的個体化
第4章 チューリング・マシンと意識の有限性
1 チューリング・マシンの無限の記憶
2 第一次過去把持と第二次過去把持
3 過去把持の円環構造と有限性
第5章 アテンションをめぐる戦い
1 注意の中のテンション
2 第三次過去把持と予期せぬもの
3 希少な資源としてのアテンション
第6章 資本主義の三つの精神
1 プロテスタンティズムの倫理とオティウムの喪失
2 フォーディズムと制作知の喪失
3 文化産業と生活知の喪失
4 六八年五月と資本主義の新しい精神
第7章 自動化する社会
1 ビッグデータと夢の在庫化
2 デジタル上の蜘蛛の巣
3 アルゴリズムによる統治の何が問題なのか
第8章 雇用の終焉、労働万歳!
1 自動化による雇用の終焉?
2 労働の解放、労働からの解放
3 ハッカー倫理による労働の再定義
4 現代のラッダイトたち
第9章 協働型経済
1 協働型経済の目的──ケイパビリティ・アプローチ
2 協働型経済の場所──地域をケアする
3 協働型経済の収入──実演芸術家の断続的収入
4 セーヌ=サン=ドニでの協働型プロジェクト
終章 今を生きるトビウオたちのために
さいごに
あとがき
参考文献
索 引
『ベルナール・スティグレールの哲学』正誤表PDF
本書の刊行後、いくつかの誤記の箇所を確認いたしました。編集部の不注意によるものであり、読者の皆さまに心よりお詫びを申し上げます(2024年2月29日)。
本書の刊行後、いくつかの誤記の箇所を確認いたしました。編集部の不注意によるものであり、読者の皆さまに心よりお詫びを申し上げます(2024年2月29日)。
書評掲載
「現代ビジネス」(2024年04月09日付/近藤大介氏・評)に紹介されました。
「毎日新聞」(2024年06月05日付/ブックウオッチング)に紹介されました。
「図書新聞」(2024年06月15日号/谷島貫太氏・評)に紹介されました。