人間の本性を本能の退行した〈欠陥動物〉として位置づける独自の哲学的 = 人類学的人間学をもとに、原始から今日までの人間社会において虚構 = 制度が文化の持続装置としての役割を果たしてきたことを縦横に論究する。『人間』につづくゲーレン人間学の主著。
A.ゲーレン(ゲーレン アーノルト)
(Arnold Gehlen)
1904-1976年。ライプツィヒ生まれ。ドリーシュ、ハルトマンらに学び、1934年からライプツィヒ大学、ケーニヒスベルク大学、ウィーン大学哲学科教授。1940年にウィーンで兵役に徴用され、1945年には将校として従軍。戦後はシュパイヤー大学、アーヘン大学に社会学教授として招かれ要職をつとめる。哲学、社会学、文化人類学、社会心理学などを総合して〈制度〉の概念を中心とする独自の人間学を構築し、産業・技術時代における人間の自由と疎外に関して、鋭い問題提起を行なった。本書のほか、『人間』(1940年)、『技術時代の魂の危機』(1957年)、『モラルと超モラル』(1970年)などの著書があり、レーベルクの編集による全集(全10巻)が刊行されている。
池井 望(イケイ ノゾム)
1923年、旧台湾台北市生まれ。京都大学文学部(ドイツ文学専攻)卒。アーヘン大学で文化人類学、社会学をゲーレンに学ぶ。元神戸女学院大学文学部教授。著書に『現代文化論』(1964年)、『盆栽の社会学』(1978年)ほか。
※上記内容は本書刊行時のものです。I 制度
1 序章
2 道具
3 実験的行動
4 超越性
5 習慣と習慣の外的支持者
6 行動
7 自己目的としての行動
8 分業、制度
9 制度、内面への波及
10 制度による人間の内的安定
11 相互性
12 背景的充足
13 演出の中の外界安定
14 制度の義務内容
15 衝動の即物化
16 内的規範の創造性
17 欲求定位
18 安定化された緊張
19 文化に規定された自明性
20 精神と呼ばれるもの
21 創造力
22 自然、事実的外界
23 事実的内界、主体性
24 古代の異質性
II 古代文化の諸問題
25 問題提起
26 本当の(動物の)本能
27 人間の本能的なもの
28 ありそうにもない知覚
29 不定の義務づけ
30 命名の義務づけ
31 演出的儀礼
32 儀礼の他のカテゴリー・命令
33 推定される三つの世界像
34 外界の霊化
35 原始の霊魂観念
36 祭祀的動物保護
37 血縁秩序
38 トーテミズム
39 制度的虚構
40 続・制度的虚構
41 神話
42 神話と歴史意識
43 呪術
44 エクスタシー、陶酔、禁欲
45 高度文化の中の呪術
III 三つの行動型と三つの世界観
46 自然宗教
47 哲学の課題
48 要約と展望
訳注
〈付録〉「存在の中の自己価値」──日本の読者のための導入 (K-S・レーベルク)
訳者あとがき──サマリーを兼ねて
事項索引
人名索引
1 序章
2 道具
3 実験的行動
4 超越性
5 習慣と習慣の外的支持者
6 行動
7 自己目的としての行動
8 分業、制度
9 制度、内面への波及
10 制度による人間の内的安定
11 相互性
12 背景的充足
13 演出の中の外界安定
14 制度の義務内容
15 衝動の即物化
16 内的規範の創造性
17 欲求定位
18 安定化された緊張
19 文化に規定された自明性
20 精神と呼ばれるもの
21 創造力
22 自然、事実的外界
23 事実的内界、主体性
24 古代の異質性
II 古代文化の諸問題
25 問題提起
26 本当の(動物の)本能
27 人間の本能的なもの
28 ありそうにもない知覚
29 不定の義務づけ
30 命名の義務づけ
31 演出的儀礼
32 儀礼の他のカテゴリー・命令
33 推定される三つの世界像
34 外界の霊化
35 原始の霊魂観念
36 祭祀的動物保護
37 血縁秩序
38 トーテミズム
39 制度的虚構
40 続・制度的虚構
41 神話
42 神話と歴史意識
43 呪術
44 エクスタシー、陶酔、禁欲
45 高度文化の中の呪術
III 三つの行動型と三つの世界観
46 自然宗教
47 哲学の課題
48 要約と展望
訳注
〈付録〉「存在の中の自己価値」──日本の読者のための導入 (K-S・レーベルク)
訳者あとがき──サマリーを兼ねて
事項索引
人名索引