古典主義的文化、合理主義的形式に立ち向かい、詩人の情熱を通して精神の自由、時代の革新を希求したシラーの論文的詩篇。疾風怒濤時代の帰結を最も良く語る古典的名著。訳者による本書の「展開」と「反映」を付す。〔哲学・美学〕
F.v.シラー(シラー フリードリヒ・フォン)
(Friedrich von Schiller)
1759-1805。ドイツ・マルバッハ生まれの詩人・劇作家。陸軍士官学校で法学と医学を学び、軍医となる。当時の「シュトゥルム・ウント・ドラング」の時代の潮流のなかで処女作『群盗』(1781)を仕上げ好評を得、その後再び軍隊には戻らなかった。マンハイム、ドレスデンなどに住居を移し、1788年にイェーナ大学の歴史学教授となる。シラーは天性の劇作家とも評され、歴史を背景に己れの思想を織り込んだ数多くの作品を書き、代表作には上記の『群盗』のほか『ドン・カルロス』(87)、『ヴァレンシュタイン三部作』(98-99)などがある。またシラーは詩人ゲーテと親交し、ゲーテ自身の編集になる千通を超える『往復書簡集』(1829)が知られている。
小栗 孝則(オグリ タカノリ)
1902-1976。東京生まれのドイツ文学者・詩人。東京外国語学校ドイツ語科中退。翻訳書にニーチェ『この人を見よ』、シラー『瞑想詩集』、ハイネ『死せるマリア』などがある。
※上記内容は本書刊行時のものです。 展 開
第一信 私は美の問題をひとりの人の前に提出するわけです
第二信 私は別な世紀の中で生きていたいとは思いませんし、他の世紀のために働きたくもありません
第三信 大切な点は、まわっている歯車をその回転中に取り替えることです
第四信 人間は自分自身と二重の方法で対立しています
第五信 人間退廃の二つの極端が、二ついっしょに一つの時期に集合しています
第六信 文化自体が新しい人間に傷を負わせるものを持っていたのです
第七信 時代の性格はまず第一にその深刻な品位喪失から立ち上がらねばなりません
第八信 賢くあるために、大胆であれ
第九信 君の世紀とともに生き給え、しかしその産物であってはならない
第十信 いっさいは、美によって引き戻されねばなりません
第十一信 人格はそれ自身の根底でなければなりません
第十二信 第一の衝動がただ事態をつくるとすれば、他の一つは法則を与えています。
第十三信 教養の任務は二重です
第十四信 これに適当な名前がつけられるまで、これを遊戯衝動と呼ばせてもらいます
第十五信 人間は美といっしょにただ遊んでいればよい、ただ美とだけ遊んでいればよい
第十六信 美しいものの最高の理想は、現実性と形式との完全無欠な結合と均斉の中に求められる
第十七信 美の起原を人間の心情の中に探り求めてみること
第十八信 美によって、感性的な人間は形式と思索に導かれる
第十九信 そのときこそ初めて、彼の人間性は建設されるのです
第二十信 心情は一つの中間的な情調を通って、感覚から思想へと移っていく
第二十一信 まさにそれによって或る無限なものが獲得されるのです
第二十二信 美的状態だけはそれ自身一つの全体です
第二十三信 美的状態から論理的で道徳的な状態へ
第二十四信 人間はつねに人間であるべきです
第二十五信 美は私たちの状態であると同時に私たちの行為なのです
第二十六信 美的仮象でありさえすれば
第二十七信 自由を自由によって与えることが美的国家の憲法です
反 映
あとがき
第一信 私は美の問題をひとりの人の前に提出するわけです
第二信 私は別な世紀の中で生きていたいとは思いませんし、他の世紀のために働きたくもありません
第三信 大切な点は、まわっている歯車をその回転中に取り替えることです
第四信 人間は自分自身と二重の方法で対立しています
第五信 人間退廃の二つの極端が、二ついっしょに一つの時期に集合しています
第六信 文化自体が新しい人間に傷を負わせるものを持っていたのです
第七信 時代の性格はまず第一にその深刻な品位喪失から立ち上がらねばなりません
第八信 賢くあるために、大胆であれ
第九信 君の世紀とともに生き給え、しかしその産物であってはならない
第十信 いっさいは、美によって引き戻されねばなりません
第十一信 人格はそれ自身の根底でなければなりません
第十二信 第一の衝動がただ事態をつくるとすれば、他の一つは法則を与えています。
第十三信 教養の任務は二重です
第十四信 これに適当な名前がつけられるまで、これを遊戯衝動と呼ばせてもらいます
第十五信 人間は美といっしょにただ遊んでいればよい、ただ美とだけ遊んでいればよい
第十六信 美しいものの最高の理想は、現実性と形式との完全無欠な結合と均斉の中に求められる
第十七信 美の起原を人間の心情の中に探り求めてみること
第十八信 美によって、感性的な人間は形式と思索に導かれる
第十九信 そのときこそ初めて、彼の人間性は建設されるのです
第二十信 心情は一つの中間的な情調を通って、感覚から思想へと移っていく
第二十一信 まさにそれによって或る無限なものが獲得されるのです
第二十二信 美的状態だけはそれ自身一つの全体です
第二十三信 美的状態から論理的で道徳的な状態へ
第二十四信 人間はつねに人間であるべきです
第二十五信 美は私たちの状態であると同時に私たちの行為なのです
第二十六信 美的仮象でありさえすれば
第二十七信 自由を自由によって与えることが美的国家の憲法です
反 映
あとがき