パリの遊民として,全世界への呪言を綴る異色のエッセー。異端の神々や仏陀に託して己を語り,空・涅槃・死・救済をめぐって,変幻自在に人間存在への憎悪を語る。
E.M.シオラン(シオラン)
(E. M. Cioran)
1911年、ルーマニアに生まれる。1931年、ブカレスト大学文学部卒業。哲学教授資格を取得後、1937年、パリに留学。以降パリに定住してフランス語で著作を発表。孤独な無国籍者(自称「穴居人」)として、イデオロギーや教義で正当化された文明の虚妄と幻想を徹底的に告発し、人間存在の深奥から、ラディカルな懐疑思想を断章のかたちで展開する。『歴史とユートピア』でコンバ賞受賞。1995年6月20日死去。著書:『涙と聖者』(1937)、『崩壊概論』(1949)、『苦渋の三段論法』(1952)、『時間への失墜』(1964)、『生誕の災厄』(1973)、『告白と呪詛』(1987)ほか。
金井 裕(カナイ ユウ)
1934年、東京に生まれる。京都大学仏文科卒。訳書:シオラン『絶望のきわみで』、『時間への失墜』、『思想の黄昏』、『オマージュの試み』、『欺瞞の書』、『敗者の祈禱書』、『シオラン対談集』、『カイエ1957–1972』(日本翻訳文化賞受賞)、『ルーマニアの変容』、カイヨワ『旅路の果てに』ほか。
※上記内容は本書刊行時のものです。悪しき造物主
新しき神々
古生物学
自殺との遭遇
救われざる者
扼殺された思念
訳注
訳者あとがき
新しき神々
古生物学
自殺との遭遇
救われざる者
扼殺された思念
訳注
訳者あとがき