ミッシェル・セール(セール ミッシェル)
(Michel Serres)
1930年フランス南西部のアジャンに生まれる。海軍兵学校、高等師範学校を卒業。数学、文学、哲学の学位を取得。58年からクレルモン=フェランの文学部で教鞭をとり、ライプニッツ研究で文学博士となる。69年からパリ第1大学教授として科学史講座を担当。数学、物理学、生物学の研究に加え人類学、宗教学、文学などの人間諸科学に通暁する百科全書的哲学者としてフランス思想界の重要な一翼を担い、科学的認識と詩学を統一的な視野に収め、西欧的思想の限界に挑む。90年からアカデミー・フランセーズ会員。邦訳された著書に、『火、そして霧の中の信号──ゾラ』、『青春──ジュール・ヴェルヌ論』、『天使の伝説─現代の神話』、『ローマ──定礎の書』、『小枝とフォーマット──更新と再生の思想』、『白熱するもの──宇宙の中の人間』、『カルパッチョ──美学的探究』、『世界戦争』(以上、法政大学出版局)など多数。2019年没。
及川 馥(オイカワ カオル)
1932年宮城県生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程修了。フランス文学専攻。茨城大学名誉教授。主著に『バシュラールの詩学』『原初からの問い──バシュラール論考』(法政大学出版局)、訳書にバシュラール『近似的認識試論』『科学的精神の形成』(共訳、国文社)、『大地と意志の夢想』(思潮社)、『夢想の詩学』(ちくま学芸文庫)、『エチュード』『水と夢』(法政大学出版局)、セール『生成』『離脱の寓話』『両性具有』『第三の知恵』『天使の伝説』、『自然契約』(共訳)、『アトラス』(共訳)、トドロフ『はかない幸福─ルソー』、『象徴の理論』(共訳)、『象徴表現と解釈』(共訳)、『批評の批評』(共訳、以上法政大学出版局)ほか。
米山 親能(ヨネヤマ チカヨシ)
1944年生まれ。東北大学大学院修士課程修了。東北大学名誉教授。フランス文学・フランス思想専攻。訳書にセール『彫像──定礎の書』、『自然契約』(共訳)、『哲学を讃えて──フランス語で書いた思想家たち』(共訳)、『アトラス─現代世界における知の地図帳』(共訳)、『人類再生──ヒト進化の未来像』、コルネリュウス・カストリアディス『人間の領域』(共訳)、ジャン゠ピエール・デュピュイ『犠牲と羨望──自由主義社会における正義の問題』(共訳、以上、法政大学出版局)ほか。
※上記内容は本書刊行時のものです。ネズミのごちそう 瀑布
サチュロスの食事 招待者の二重性
漸減する生産 暗闇と混乱
決定、裁断 包摂された第三者、排除された第三者
ライオンの食事 一方向への矢印
闘技者の食事 偏差と現実の構築
悪漢物とサイバネティックス 新しい均衡
五旬節
第二部 続・中断された食事 技術、労働
ネズミのごちそう 二極管、三極管
ゆらぎ論理
主人と反‐主人
続・ネズミのごちそう 機械および道具
手段、中間
変換空間
月の形をしたごちそう
楽園での殿さまの食事
労働
昆虫たちの食事 エネルギー、情報
神々、永遠の招待者
間奏曲 寄食者の全身像
告白された食事
ジャン=ジャック、立法者を裁く
雑音
音楽
第三部 太った牡牛とやせた牡牛 経済
サラダの食事 土地私有権の糞尿的起源
風刺の食事 交換と貨幣、正確とゆらぎ
兄弟に囲まれての食事 ジョーカーの理論
栗の実の食事 太陽と記号
牡牛が川から上がってくる 貯え
牡牛たちが牡牛たちを喰らう 列〔尻尾〕の理論
最良の定義
病気一般について
第四部 夜の宴 社会
詐欺師の食事 分析する、麻痺させる、触媒作用をする
招待主本来の名前 主人と奴隷
準‐客体の理論
空の食卓 愛について
悪魔 愛について
最悪の定義
物語、動物
原註
訳註
訳者あとがき
人名索引