叢書・ウニベルシタス 735
生命の認識〈新装版〉

四六判 / 328ページ / 上製 / 価格 3,960円 (消費税 360円) 
ISBN978-4-588-14076-1 C1310 [2023年02月 刊行]

内容紹介

生気論の諸相、有機体と機械、生体とその環境など、生命・技術・科学的認識の連関にかんする問題編成に立ち向かうラディカルな哲学的思考。フーコー、セール、ブルデューら諸思想に多大な影響を与えたその哲学の原点。1 方法(動物生物学における実験)/2 歴史(細胞理論)/3 哲学(生気論の諸相/機械と有機体/生体とその環境/正常なものと病理的なもの/奇形と怪物的なもの)。

著訳者プロフィール

G.カンギレム(カンギレム ジョルジュ)

G.カンギレム(Georges Canguilhem)
1904年フランス西南部のカステルノダリーに生まれる。ソルボンヌで哲学を、ストラスブール大学で医学を修め、バシュラールに師事して科学哲学研究者の道を歩む。バシュラールの後任としてパリ大学科学史・技術史研究所長をつとめ、1955年から71年までソルボンヌの教壇に立ち、科学史・科学哲学を講じた。科学哲学、医学、生物学にわたる深い学殖をもとに、概念の生成を歴史的に究明し、アルチュセール派、ラカンの後継者たち、さらにはフーコー、ダゴニェ、ブルデュー、セールらに大きな影響を与えた。1995年9月死去。邦訳書に、『正常と病理』、『反射概念の形成』、『科学史・科学哲学研究』、『生命科学の歴史』(以上、法政大学出版局刊)などがある。

杉山 吉弘(スギヤマ ヨシヒロ)

杉山吉弘 1947年北海道に生まれる。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、札幌学院大学名誉教授。専攻、現代フランス哲学。主な訳書に、G.カンギレム『生命科学の歴史』(法政大学出版局)、J.ドント『ベルリンのヘーゲル』(同)、E.バリバール『マルクスの哲学』(同)、M.アンリ『マルクス』(共訳、同)、リオタール『リビドー経済』(共訳、同)、C. I.グリアン『人間の前に立つマルクス主義』(共訳、社会思想社)など。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

初版の前書き

第二版の前書き

序説 思考と生体

Ⅰ 方法

動物生物学における実験

Ⅱ 歴史

細胞理論

Ⅲ 哲学
一 生気論の諸相
二 機械と有機体
三 生体とその環境
四 正常なものと病理的なもの
五 奇形と怪物的なもの


付録
一 繊維理論から細胞理論への移行に関する覚え書き
二 細胞理論とライプニッツ哲学の関係に関する覚え書き
三 一六六五年、パリでテヴノ氏家の集会列席者にステノによってなされた『大脳解剖学に関する講演』からの抜粋

訳注
訳者あとがき
参考文献
原注
人名索引

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