両インド史
東インド篇/上巻

A5判 / 748ページ / 上製貼箱入 / 価格 19,800円 (消費税 1,800円) 
ISBN978-4-588-15056-2 C3020 [2009年06月 刊行]

内容紹介

「両インド史」とは、本来のインドと東南アジア、アフリカ、さらにはコロンブスがインドと思いこんだ新大陸を含む啓蒙期の世界史である。この時代までに蓄積された膨大な旅行記と宣教師の報告書を原資料としつつ、専制主義・狂信・奴隷制を弾劾し、ユートピアと自由を讃える文章がちりばめられた本書は、圧倒的な人気を博し、フランス大革命を準備した。本巻は、全18篇のうち、1〜3篇を収録。

著訳者プロフィール

ギヨーム=トマ・レーナル(レーナル ギヨーム トマ)

1713年フランス南部の小さな町ラパヌーズに生まれる.ロデースのイエズス会コレージュに学び,卒業後イエズス会に入会する.1747年頃パリに赴き,文芸ジャーナリストとして活躍,1750年には『メルキュール・ド・フランス』の編集主幹の一人となり,ジャーナリズムの世界に確固たる地歩を占めた.1747年に『総督職の歴史』を,その翌年には『イギリス議会史』を出版する.1750年にはヴォルテールの推薦によりベルリン・アカデミー会員となり,1754年にはダランベールの推薦によりロイヤル・ソサイアティ入りを果たした.1770年,本書『両インド史』を,ディドロ等の協力を得て,匿名で出版し,その後,二版に渡り改訂増補し,いずれも「飛ぶように売れた」が,1781年,アンシアン・レジームの出版弾圧により身柄拘束と財産没収の判決を下されたため,フランスを脱出する.10年の追放の後,1791年にパリへ帰還し,「大革命の父」と賞讃されるが,議会に対して送った勧告の書は「専制主義の復興を企てるもの」として議会と民衆の憤激をよび,再びパリから脱出する.ナンシー,シャイヨ,アティス=モーンスの友人宅を転々,モンレリの娘宅を経て再びシャイヨに戻り,1796年同地の友人宅で死去.

大津 真作(オオツ シンサク)

1945年大阪府生まれ.70年名古屋大学理学部卒業.75年東京都立大学人文科学研究科仏文学専攻博士課程中退.西欧社会思想史専攻.現在,甲南大学文学部教授.著書:『理性と愛──スピノザの思想』(高文堂出版社),『啓蒙主義の辺境への旅』(世界思想社).訳書:モラン『方法1〜5』,セーヴ『マルクス主義と人格の理論』,ヴェントゥーリ『百科全書の起源』,ヴェーヌ『歴史をどう書くか』『差異の目録──歴史を変えるフーコー』,モスコヴィッシ『自然の人間的歴史上・下』(以上,法政大学出版局),エレンステン『スターリン現象の歴史』(大月書店),ジャルダン『トクヴィル伝』(晶文社),フュレ『フランス革命を考える』,バーク『フランス歴史学革命』(以上,岩波書店),共訳:『ディドロ著作集第3巻』,『啓蒙の地下文書Ⅰ』(以上,法政大学出版局),他.

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 おしらせ

第一篇 東インドにおけるポルトガル人の発見、戦争、征服

第二篇 東インドにおけるオランダ人の植民、戦争、政治、貿易

第三篇 東インドにおけるイギリス人の植民、貿易、征服

 訳  注
 訳者解説
 索  引
  事項索引
  人名索引
  地名索引

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